第13回「いっしょに読もう!新聞コンクール」表彰式を開催

  1. NIEトップ
  2. What's New
  3. 第13回「いっしょに読もう!新聞コンクール」表彰式を開催

キャプション

キャプション

日本新聞協会は12月17日、第13回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の表彰式をニュースパーク(日本新聞博物館、横浜)で開きました。小中高3部門の最優秀賞受賞者の岩美町立岩美北小学校6年の森川遙人さん、鳴門教育大学附属中学校3年の河野地里子さん、広島大学附属高等学校1年の神尾惺那さんに賞状と盾を贈りました。受賞者は、それぞれが選んだ記事を執筆した記者と懇談し、記事に込められた思いに触れました。表彰式は過去2年間、新型コロナウイルスの影響により中止していましたが、3年ぶりに開催しました。

人と人をつなぐコンクール

表彰式の冒頭、新聞協会NIE委員会の亀井正明委員長(毎日東京)が「今年も多くの方が新聞を手に取って、記事と真剣に向き合ってくれたことを、新聞の作り手の一人として、大変うれしく思っている」とあいさつしました。また、中学生部門の優秀賞を受賞した生徒が取り上げた記事に登場する「長期入院の子どもと付き添い家族を支える会」の代表者から届いたメッセージを紹介(作品はこちら)。コンクールが「様々な人をつなぐ役割も果たしていることに、改めて気づかされた」と述べました。

続いて、文部科学省初等中等教育局の大滝一登視学官が「このコンクールは、新聞を誰かと一緒に読んで対話することに意義がある。どの作品も対話から気づきを得て自らの考えを深めることができていた」と祝辞を述べました。

3人の最優秀賞受賞者への贈賞の後、小原友行審査委員長(日本NIE学会顧問、福山大学教授)から、「今年はコロナと共生する記事を取り上げた作品が多くみられた。また、日常生活の中の高齢者や認知症の人へのやさしさや、動物への思いやりのような、暖かさを求めている作品が多かった。そして、取り上げた記事中に登場する人々や執筆した記者、自分の家族・友人との対話だけでなく、自分自身の中にいるもう一人の自分とも対話しながら考えを深めようとする姿が見られた」との講評がありました。また、ホロコースト犠牲者であるアンネ・フランクのエピソードに触れ、「よりよい未来を創造するために、もっともっと学んでほしい」と呼び掛けました。

受賞者と記者が懇談

小学校部門最優秀賞の森川さんは、「マスクが苦手な同級生には、学校でのフェイスシールドの利用を認めてはどうか。マスクやシールドを着けると、耳の不自由な方には会話が聞き取りづらいこともあるので、筆談ができるように道具を用意しておきたい。誰もが生きやすい社会になるのではないか」と提案しました。

森川さんが選んだ記事を執筆した共同通信社編集局生活報道部の岩崎由莉記者は「記事にすることで、登場する過敏症の方が理解を持てない人から批判されるようになったりしないか怖かった部分がある。森川さんに受け止めてもらえてうれしかった」と語りました。

中学校部門最優秀賞の河野さんは、「一緒に記事を読んだ祖父がこれまで以上に安全運転を心がけるようになった。個人の取り組みも大事だが、徳島県は公共交通機関があまり充実していないので、電車やバスの便を増やすなどの対策も必要だと思う」と話しました。

福井新聞社編集局報道部の小柳慶祥記者は「徳島、福井の両県は交通機関が発達していないところや人口10万人あたりの交通事故死者数が多いとの共通課題がある。課題解決に向けて記者として考え、伝えていきたい」と決意を述べました。

高校部門最優秀賞の神尾さんは、「日本は包装が多い国ということを最近知った。買い物する際に包装の少ないものを選ぶようにしている」と記事を読んだ後の自身の行動の変化について述べました。

神尾さんからの「新聞の魅力は何ですか」との質問に、共同通信社編集局AIサイバー報道チームの澤野林太郎次長は「メディアがしていることは昔から変わらなくて、人の話しを聞いて自分が『これがニュースだ』と思うものを多くの人に伝えています。新しいことを知ることや、伝えることで世の中が良い方向に向かっていく、そんなことができる仕事だと思います。もし興味があればぜひ新聞社に!」と答えました。

表彰式終了後、ニュースパーク館長による館内見学ツアーが実施されました。

                ◇

第13回コンクールの優秀賞以上の作品はこちらからお読みいただけます。