第13回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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鳥取県 岩美町立岩美北小学校 6年 森川 遙人さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

見えないつらさ、理解を 「化学物質過敏症」(日本海新聞 2022年7月1日付朝刊)

授賞理由

森川さんは、柔軟剤やシャンプーなど自分が「いいにおい」だと思うもので体調を崩してしまう「化学物質過敏症」の人がいることを記事で知った。これまで出会った人の中にも症状に苦しむ人がいて、知らないうちに迷惑をかけていたかもしれないとハッとした。 母は「知ることは、理解することの第一歩。正しい知識を得られる場が必要」と話し、少数派に寄り添える社会であることが大切だと教えてくれた。森川さんは、世の中に広く伝えることのできるメディアの有効性に気付く一方で、一番大切なのは情報を受け取る側の心だと思い至った。

同じ社会で生きる人のつらさや苦しさに目を向けられる自分でいたいと願う森川さん。母との対話を通じ、優しい社会の在り方への考えを深め、自分の問題として捉えることができた点が高く評価された。

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

僕はこの記事を読んで、「化学物質過敏症」という症状があることを初めて知りました。柔軟剤やシャンプーなど、僕が「いいにおい」だと思っているもので体調をくずしてしまう人がいることに驚きました。国内に100万人ほど患者さんがいるなら、僕が出会った人の中にも、同じような症状で苦しんでいる人がいたかもしれません。知らないうちに人に迷惑をかけていたかもしれない。そのことにハッと気づいたのでこの記事を選びました。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は「『化学物質過敏症』は、症状の苦しさが見た目では分かりにくく、周囲の理解も追いついていない。人はよく知らないものに対して否定的になりがち。知ることは、理解することの第一歩。だから、正しい知識を得られる場が必要だと思うし、社会全体が少数派にも寄りそう姿勢でいることが大切」と言っていました。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

僕の妹は食物アレルギーがあります。しかし、給食は代わりのおかずを用意してくれるので、悲しい思いをせずにすんでいます。たとえ困っている人が少なくても、すべての人が暮らしやすい社会を目ざすことは大切だと思います。「化学物質過敏症」のように、社会に理解が広がっていない症状や病気で苦しんでいる人はたくさんいるはずです。僕がこの記事で「過敏症」について初めて知ったように、新聞やテレビなど多くの人に情報が届くメディアで伝えてもらうことはとても有効だと思います。しかし、一番大切なのは情報を受け取る側の僕たちの心です。自分には関係ないと簡単に見過ごすのではなく、同じ社会で生きている人のつらさや苦しさに目を向けられる自分でいたいです。その中で記事にあった美容院のように、みんなが自分の立場でできることを見つけていったら、社会はもっと優しくなるのではないでしょうか。