第13回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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広島県 広島大学附属高等学校 1年 神尾 惺那さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
深海 プラごみ堆積(中国新聞 2022年6月6日付朝刊)
授賞理由
小学生のころから海洋プラスチック問題に関心を持っていた神尾さんは、最新の実態を伝える記事を読んで衝撃を受けた。深海のプラごみ問題は温暖化や大気汚染のように体感することが難しく、多くの人に実態を理解してもらうためには、記事にあるような海洋汚染調査は重要だと考える。
最終的には人間にも影響を及ぼす問題だと話す母から、世間への周知の必要性を指摘され、自分たちが知る努力をするべきだとの考えに至る。
神尾さんは、海洋プラごみ問題を社会の共通認識にするための教育の重要性に気付き、授業参観で取り扱うことにより広く親世代にも知ってもらう案を提示した。対話を踏まえて提案している点、自分の問題として捉え行動する大切さを指摘した点が高く評価された。
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
私は、小学生のときから海洋プラスチック問題に関心を持っている。しばらく新しい情報を見ていなかったが、久しぶりに見た実態に衝撃を受けたため、この記事を選んだ。記事中には、「海底には拾いきれないほど次々とごみが現れた」とあるが、この環境問題は、地球温暖化や大気汚染のように体感するのが難しい。そのため、海洋研究開発機構の今回の調査は、人々に実態を理解してもらうという意味でも重要なものであると考える。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
母は「マイクロプラスチックは、近年海洋生物への悪影響が問題となっているが、最終的に人間にも影響を及ぼす。ごみを出した人間の責任として実態調査をし、世間に広く知らせる必要がある。世界でごみをゼロにするのは現実的には難しいため、教育はもちろんのこと、海水中で分解される新素材開発に期待したい」と言った。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
母の話を聞き、まず、実態調査の重要性を再確認した。何事も「知る」ことなしには行動できない。調査を行うことで、現状が明らかになる。私たちは、新聞などのメディアを通じて「知る」努力をすべきだ。「知る」という点では、母から「教育」という言葉が出た。子どもはこれからの時代を作っていく世代なので、小さい頃から教育をすべきだと考えた。また、海洋プラスチックが強く問題視され始めたのは数年前であるため、親世代には子どもほどの認識はないかもしれない。そのため、授業参観で海洋プラスチックを授業テーマにするといった工夫もできるだろう。「知る」という段階を踏んで、私たちには何ができるのか。研究者たちは新素材の開発を急いでいるが、それを待つだけでは解決にはつながらない。私たちは、ごみを出さない、などの「行動」をすることで問題解決に貢献できる。「知る」こと、そして「行動」に移すことが、問題解決の重要な一手となる。