第4回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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最優秀賞
小学生部門
愛知県碧南市立大浜小学校 5年 馬場 彩月(ばば・あづき)さん
意見を聞いた人 | 母 |
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用いた記事 | 16歳 がん余命告知/ 遺すために 16歳・余命告知からの87日間(上)(中)(下) (中日新聞 2013年8月5日、8月17日、8月18日、8月19日付朝刊) |
受賞理由 | 名古屋大付属病院の小児科病棟で初めて、16歳の少年に対して余命告知が行われた。 |
中学生部門
奈良市立京西中学校 3年 安西 美玖(あんざい・みく)さん
意見を聞いた人 | 母 |
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用いた記事 | 日本どこへ 安倍大勝(5) 集団的自衛権検討を優先 (毎日新聞 2013年7月27日付朝刊) |
受賞理由 | 参議院選挙で自由民主党が圧勝したことを受け、同党が掲げる政策のうち「憲法改正」に着目。自分の関心から発展し、政治の課題を解説する記事を選び取り、読み込んでいる。 この受賞作が評価された点は、難しいテーマである憲法についての意見を中学生の立場から深めている思考力と判断力である。 記事の内容も正確に読み取っており、これまでも報道を通じて社会的問題に関心を寄せてきたことがうかがえる。母との対話から、人それぞれ多様な考え方があることを理解したうえで、自分と違う意見であっても受容し自分なりに判断しようという素直な姿勢に中学生らしい成長の兆しが見える。憲法改正や平和についての意見も自分の言葉で述べており、背伸びせず、かといって幼いものではなく、日本がどうなるかは自分たち次第だとの考えに至っている。難しいテーマを他人事にせず、最後まで当事者として考察を深めた点が高く評価された。 |
高校生部門
鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校 2年 木田 夕菜(きだ・ゆうな)さん
意見を聞いた人 | 父 |
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用いた記事 | 水力発電所を大規模改修へ (南日本新聞 2013年7月28日付朝刊) |
受賞理由 | 再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の適用を受け、大規模改修の対象となった村営水力発電所の記事に目をとめ、環境とエネルギーの問題を考察している。 この受賞作は論点が明確であり、新聞記事により獲得した地域への知識と実際に自分が住んでいる都市部のエネルギー問題の関連性を正確に整理・分析しており、発電方法についての提言が具体的であることに評価が集まった。 まず問題意識が優れている。今日的課題を捉えた洞察力から、日常的に新聞に触れていることが伝わってくる。 父との対話においては、環境に配慮し発電について考えていこうという示唆をつかみ取り、熟考の結果、自分の提言を築き上げた。日ごろから会話が絶えない親子の絆が感じられる。都市の防災用貯水施設を活用した「地産地消型」の小規模発電は独創性、提言性に優れており、このコンクールの趣旨に合致したものとして高く評価された。 |
審査員特別賞
島根県安来市立社日小学校 1年 藤原 杏湖(ふじはら・こうこ)さん
意見を聞いた人 | 母 |
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用いた記事 | ペンギン ひな誕生 (山陰中央新報 2013年7月12日付朝刊) |
受賞理由 | ペンギンが好きな杏湖さんは、まず親子ペンギンの写真のかわいさに魅かれて、水族館でジェンツーペンギンのひな1羽がふ化した記事を選んだ。親ペンギンが口移しでえさを与えるという記事をしっかり読み取り、どうしてくちばしを使うのかと疑問に思い、「にんげんみたいにゆびがないからくちばしであげるのかな」と自分なりの答えを導き出している。両親に見守られてすくすくと育ってほしい、という母の意見にも賛同し、ペンギンの家族の幸せを思いやる杏湖さんのやさしい気持ちが伝わってくる。 杏湖さんは小学1年生ながら、写真をきっかけに新聞閲読に挑戦し、記事の内容を読み取ったうえで、自分の考えを自分の言葉で表現できている点が評価された。母の意見もきちんと聞き取れていて、ペンギンの家族が増えることに願いをはせている。その上で、家族全員でペンギンのあかちゃんを見に行きたいという提案にまとめたところも素晴らしい。小学校低学年に新聞は難しすぎるのではないか、と考える先生やご家族の背中を押すメッセージを込めて、審査員特別賞を贈ることとした。 |
HAPPY NEWS賞
札幌市立手稲西小学校 4年 土畠 ちなみ(どばた・ちなみ)さん
意見を聞いた人 | 祖母 |
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用いた記事 | 新千歳の風(4) ビル清掃 目立たず目配り (朝日新聞 2013年8月2日付朝刊) |
受賞理由 | 父が出張する際、家族で新千歳空港に見送りや迎えに行くというちなみさんは、日頃行き慣れた空港の床や花がきれいだと思っていたが、記事を通してここで働く清掃員の気配りによるものだったと初めて知りとても驚いた。 身近なところで起きている出来事に着目した視点と、記事の景色の中に自分が入り込み、自分の体験を踏まえた思いがよく伝わるよう表現していることが、ともに高く評価された。 ちなみさんは、祖母の「美しい仕事をする人たち」の言葉に素直に反応し、その言葉の意味を自分に問い返し解釈するに至っている。祖母との会話で、記事に取り上げられている福島千鶴子さんらの仕事に対する姿勢を深く理解し、相手の気持ちを思いやるという意識にまで高めている。記事が伝えたかったことを的確に読み取り、どんな職業にもあてはまることに気付き、最終的に自分も心をこめた仕事ができる人になりたいというところにまで考えが深まっているところも優れている。「美しい仕事」という祖母の言葉を引き出した対話はHAPPY NEWS賞にふさわしい。 |