第14回「いっしょに読もう!新聞コンクール」表彰式を開催

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日本新聞協会は12月16日、第14回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の表彰式をニュースパーク(日本新聞博物館、横浜)で開きました。小中高各部門で最優秀賞を受賞した安田学園安田小学校5年の高田彩楽さん、恵泉女学園中学校3年の大作知穂さん、埼玉県立川越女子高等学校1年の石川真帆さんに賞状と盾を贈りました。受賞者は、それぞれが選んだ記事を執筆した記者と懇談し、記事に込められた思いに触れました。

対話を促すコンクール

表彰式の冒頭、新聞協会NIE委員会の佐伯聡士委員長(読売東京)が「多くの小・中・高校生の皆さんが新聞を手に取り、社会の様々な出来事に関心を持っていただいたことを、新聞の作り手の一人として、大変うれしく感じている」とあいさつしました。最優秀賞の3人が選んだ記事のテーマについて「これが絶対に正しいという正解はない」とした上で「だからこそ、他者との対話を通じて、自分にできることを考えたり、違う立場の人を思いやって尊重したりすることが大切だ」と述べました。

続いて、来賓として出席した文部科学省初等中等教育局の大滝一登視学官が「学習指導要領にも新聞の活用が明記されている。コラムや記事など多種多様な文章の中から、今回受賞するきっかけとなった記事に出合えたことは素晴らしいことだ。受賞作品はどれも、友人や家族との対話を通じて、気づきを得て、問題を提起したり、解決策を考えたりして、自分の考えを深めることができており、素晴らしい」と祝辞を述べました。

最優秀賞受賞者への贈賞の後、小原友行審査委員長(日本NIE学会顧問、福山大学教授)から、「コロナ禍での学びの経験を生かすのがポストコロナの時代。このコンクールは、選んだ記事に対する意見を仲間や家族と共有し、自分の考えを深めるという、普遍的で大切な学びが体現できることを再認識した。また、今回のコンクールは優しい作品で溢れていた。新聞を読んで他者の気持ちに触れることで、人に優しくできるようになる」と講評がありました。長年、ジブリ映画を批評した地元紙の記事を大切に保管している自身のエピソードを紹介し、「切り抜き保管したいと思える記事に出会えた経験を大切にしてほしい。コンクールを出発点として、仲間とともにNIEに取り組み、対話を通して地域や社会をよりよいものにしていってほしい」と呼び掛けました。

受賞者と記者が懇談

小学校部門最優秀賞の高田さんは、「公園以外に大きな声を出す場所がないので、少し寂しく感じた。自分たちの声が騒音になっているかなと反省したものの、大人の人たちも子どもの時を思い出してほしい」と正直な気持ちを吐露しました。

高田さんが選んだ記事を執筆した朝日新聞東京本社編集局くらし報道部の平井恵美記者は「取材して、未来を担う子どもたちがのびのびと育っていけるとよいと感じた」と語りました。

中学校部門最優秀賞の大作さんは、記事を取り上げた理由として「自分にとって身近なテーマだったので、自分の意見を書ける記事を選んだ」と話しました。

朝日新聞社いわき支局長の西堀岳路記者は「東京での政治的な決断について、まずは現場の声を取材することが大切だと思った。自分の記事を通して思いが届くのか、記者は不安を抱えている。今回、大作さんにはきちんと伝わり、消費者としてできることまで考えてくれて、うれしかった」と喜びを語りました。

高校部門最優秀賞の石川さんは、「臓器提供という響きは、いろいろな捉え方があると思う。作文を書く時も、何が正しいのか、すごく悩んだ。昨日まで元気で『またね』ってあいさつした人の臓器提供についての決断が本当にできるのか」と時々声を詰まらせながら、記事に登場したかなさんに思いを寄せました。

朝日新聞大阪本社編集局文化部の河合真美江記者は、記事を書いたきっかけについて「妹さんの葬儀の日にメールを寄せてくれ、どんな気持ちで送ってくれたのか、お話を聞きたいと思った」と述べました。また、石川さんが記事に真摯に向き合い、臓器提供について考えてくれたことに感謝を示しました。

表彰式終了後、ニュースパーク館長による館内見学ツアーが実施されました。

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第14回コンクールの優秀賞以上の作品はこちらからお読みいただけます。