第5回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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最優秀賞
小学生部門
富山県舟橋村立舟橋小学校 5年 島木琴子(しまき・ことこ)さん
意見を聞いた人 | 母、祖父 |
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用いた記事 | 「生きる語る 愛情に救われ 母に」(読売新聞 2014年7月27日付朝刊) |
受賞理由 | 産院の夜間通用口に置き去りにされ、養子縁組みにより新しい名前を授かった熊本県の味樹さん。自分の出自について長い期間悩み、結婚、出産を経て「要らない子でなく生かされた子だった」と思うようになったという記事を、富山県に住む島木さんが見つけた。 誰か他の人ならば幸せに育ててくれるのでは、という実の親なりの苦しい愛情について語る母親の意見に、最初は賛同できない。祖父はすべての人に感謝している味樹さんの姿が立派だと伝える。2人との話し合いを通して、母のいう親の愛もあるのだと思い、「分かってあげようとし続けることが大切」「それが愛情のつながりを生む」という理解に到達した。 価値判断の分かれる重い記事を小学生ながら読み切り、普遍的なテーマである「愛情とは何か」という本質に深く迫っている。素直に受け取れない気持ちと、変化する考え。その過程を自身の体験に引き寄せ、意見としてまとめ上げた点が高く評価された。 |
中学生部門
津市立西郊中学校 3年 中村真子(なかむら・まこ)さん
意見を聞いた人 | 母 |
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用いた記事 | 「妻が、今も人を支えている」(中日新聞 2014年7月16日付朝刊) |
受賞理由 | 妻の臓器提供を経験した会社員の例をもとに、「生前の思い生かす」意義と家族で話し合うことの大切さを問うた記事。会社員の決断とその姿に心打たれ、三重県の中村さんはこの記事を選んだ。 母は自身の家族に引き寄せ、臓器提供に「困惑する」が、普段からの話し合いの大切さを指摘する。母の言葉から臓器提供が「受け入れ難い死を前向きにとらえることができる一つの方法」だということを知り、普段から家族で話し合うことの大切さに気づいた。 記事から学んだ「命の重み」。家族での率直で温かい話し合いの様子がよく感じられた。 とかく賛否に目がいく難解なテーマを、中学生の立場から「家族の問題」として客観的に深く読みとった点が高く評価された。 |
高校生部門
神奈川県立川和高等学校 1年 吉冨 綾華(よしとみ・あやか)さん
意見を聞いた人 | 母 |
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用いた記事 | 「卵落下 産まれた創造力」(朝日新聞 2014年7月5日付夕刊) |
受賞理由 | 限られた条件で発想力を競う「たまご落としコンテスト」。「小学生成功率、東大生より上」という見出しが気になり、神奈川県の吉冨さんは、やる前に失敗を頭で描いている自分に気づく。 科学記事を選択した着眼点が良い。自身の失敗例を想像しつつ、母との対話から成功と失敗は怖くもあり、わくわくもする、という視点を学びとっている。これを日常の学びの場へ投影し、「答えがただ一つでない問いかけだとしたら、失敗を怖がらず自分の言葉を作り上げられるようになるのではないか」とした点に評価が集まった。 新聞と、記事とどう触れあえばいいのか。16歳という年相応の分析と思考は素直で、自然体の高校生の軽やかさをよく表しており、好感が持たれた。現在の自分の学びについて、冷静に書けている点が高く評価された。 |
HAPPY NEWS賞
愛知県碧南市立大浜小学校 5年 藤田 歩(ふじた・あゆみ)さん
意見を聞いた人 | 母 |
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用いた記事 | 「声のドナー もう一声」(中日新聞 2014年7月27日付朝刊) |
受賞理由 | ボイスバンクって何だろう。「声のドナー」という記事の見出しから、ボランティアの声を録音して合成し、病気で声を失った人に音声装置を通じて自分に近い声で会話をしてもらうプロジェクトを初めて知った愛知県の藤田さん。どこでどんな風に声を集めるのか、素朴な疑問と関心が生まれた。 藤田さんは、自分でもこうしたボランティアならできるのではないかと問い合わせをしてみた。母も、献血などと異なり痛みがないので、むしろ子供でも参加しやすいのではないかと背中を押す。多くの人に知ってもらう活動をしなくてはという思いから、自分ができることとして、まずは記事の内容をまわりの人に話し、興味をもってくれたらうれしいと考える。 記事をしっかり読み込んで疑問を持ち、そして行動に移している点が高く評価された。この授賞を通して、より多くの人に声のドナーを知ってもらうきっかけを自らが作った。記事を通して、人と人とを結び、幸せの輪を広げたことは、HAPPY NEWS賞にふさわしい。 |