“先生”体験から考える
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見出し作りで「物事の多面性」を実感
時間が押しても外せないのは「参加型」のコーナーだ。講師を務めるうちに、講話だけでは子どもたちも飽きてしまうことが分かり、他社の取り組みを参考にプログラムを考えた。そのひとつが「桃太郎の見出しを作ろう」だ。記事の要点を濃縮したものが見出しであることを一通り説明した後、まず桃太郎の昔話から「5W1H」を抜き出す。抜き出した単語を組み合わせて見出しを作り、発表してもらうという段取り。
決してドラマチックな回答が飛び出すわけでもないが、自作の作品を発表する子どもたちの表情はどこか誇らしげに見える。私が「桃太郎襲来、宝を強奪」と、鬼目線の大見出しを披露すると、子どもたちは驚いた表情を浮かべたり、笑いが起きたり。「物事の多面性」と言葉にすれば小難しい概念だが、体験・実感として心に残ってほしいと願う。
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