“先生”体験から考える
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舞台が私を待っている―出前授業は新聞づくりに通ず
学生時代は演劇に熱中していた。
そのせいか、出前授業の講師役を仰せつかると、いつも新しい「舞台」へのワクワクした気持ちが湧いてくる。米国のプレゼンテーション番組よろしく、軽妙な語りで子どもたちの笑いを取り、心に響く感動エピソードで締められたらいいな、と期待が膨らむのだ。
下野新聞社の出前授業「しもつけ新聞塾」は、事務局以外に編集局の20人が講師として登録されている。私もその1人で、事務局から割り振られて年に数回、学校などに出向く。事務局はリクエストされたテーマによって人選しているようで、例えば「新聞の作り方」なら整理部経験者、といった具合だ。外勤、内勤を渡り歩きデジタル部門に行き着いた私は、元気盛りの小学生に授業をすることが多い。フレンドリーな雰囲気を買われてのことであろう。
……と、ひとしきり「妄想」した後は我に返り、派遣先の担当者に電話を入れ、授業内容の打ち合わせをする。手元に回ってきた申し込み用紙の「希望する授業内容」欄には「新聞の読み方」「新聞の作り方」とだけ書かれていることも多い。そして、電話やメールでやり取りをした結果、「新聞の読み方と作り方」以上のリクエストはなかった、ということも少なくない。学校での「新聞」に関する授業はまだまだ手探りなのだろうか。
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