“先生”体験から考える

幼児から大学生まで広がる幅

 中国新聞社は今春から対象をさらに幼児に広げ、主催イベントの中で新聞を使う遊び場「ちゅーピーなかよしひろば」を開いている。就学前の子どもたちに、少しでも新聞紙に触れる機会を持ってもらいたいからだ。丸めた新聞紙でいっぱいにしたビニールプール、新聞を使ったちぎり絵、工作(バッグや帽子など)といったメニュー。印刷前の新聞紙を壁一面に貼り、落書きコーナーも用意している。また、幼児向け新聞「ちゅーピーなかよししんぶん」も作り、新聞になじみが薄い20~40代の保護者にアピールしている。

 内容は、小学校低学年向けとも重なる部分があり、さらにバリエーションを増やしたいと考えている。実際に、幼児向け新聞は、小学校に持参すると喜ばれた。私自身、小学3年の長男と保育園年中の長女の子育て中で、兄妹の反応も参考にしながら試行錯誤している。

 出前授業を担当し、6年目を迎えた。年々件数は増えており、昨年は部員や支社局の記者たちと計150件余りの授業に出向いた。当初は、小学4年~中高生が中心だった。最近は下は幼児、上は大学生と幅が広がっている。対象に合わせて中身と語り口を変える工夫に迫られるが、受講者とともに自分自身の成長も後押ししてくれる。さあ、今日はどの顔で行こう。

筆者・プロフィール

赤江 裕紀(あかえ・ゆき)
中国新聞社 総務局読者広報部

「新聞研究」2018年5月号掲載
※肩書は執筆当時