“先生”体験から考える

自分のペースで取り組めるNIEの魅力

 子ども新聞も用意していたが、児童全員が朝刊から記事や写真を選んだ。教員3人と私が記事を読み上げて、作成を手伝ったが、難しい話題も懸命に読み解こうとしていた。2年生の1人は「漢字の勉強を頑張って、新聞が読めるようになりたい」と答え、こちらの心をくすぐられた。

 低学年向け授業のリクエストは「遊びを中心に」「工作を取り入れて」「勉強の要素を加えて」などと、幅広い。しかも、テンポよく展開して子どもたちを飽きさせない工夫がいる。今回のような小規模校が多いが、2年生6クラスと保護者、計300人程度の出前授業を担当した例もある。授業の前に教諭や保護者から「低学年にとっては難しいのでは」と心配する声も上がったが、終わると「みんなできましたね」という感想に変わった。児童からも「楽しかった」「新聞が好きになった」「家でも遊んでみたい」という手紙が届き、胸をなで下ろした。一人一人が、自分のペースで取り組めるところに、NIEの魅力があるとあらためて思う。

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