“先生”体験から考える
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子どもたちの目の色が変わった
出前授業も数を重ねると、子どもたちの目を見ているだけで授業が面白いか退屈か、理解できているのかいないのか分かるようになる。座学では最後まで集中力が続かない子も少なくない。5年生の授業で担任に相談し、2コマ目にスクラップ教室をしたところ、子どもたちの目の色が変わった。
関心のある新聞記事を切り抜いてワークシートに貼り、感想を書いて友達と発表し合う活動だ。新聞を手にした子どもたちは、インクの匂いのする紙の感触を楽しみながら切り抜きを始めた。少年野球をしている男子はプロ野球のニュースを選び、好きな選手にエールを送る文をつづった。その子は普段、感想文を書くのが苦手らしく、担任は「こんなに書けるなんてびっくりです」と驚いていた。
スクラップ教室や、今はやりの「まわしよみ新聞」をやると世代、性別を問わず盛り上がる。さすがに小学校の低学年に新聞は難しいだろうと思いながら教室を開いたこともあったが、全く心配に及ばなかった。ある小学校では、「これ、かわいいでしょう」と2年生の女子が上野動物園のシャンシャンの写真を切り抜いて見せてくれ、どれほどパンダが好きかを得意げに話してくれた。ほかの子も、おいしそうなスイーツの写真を見つけたり、大好きな将棋の藤井聡太六段(当時)の記事を集めたり。どの子も目を輝かせていた。
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