“先生”体験から考える
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分かりやすい授業を目指して
スマホから手軽にネットの情報を得られ、短文のニュースをチェックできる時代。生徒らが新聞をどうとらえているのか、知る機会ともなった。活字がぎっしりと詰まった新聞に苦手意識を示す生徒はかなりいた。こんな現状を踏まえ、授業では国や地域のあり方を左右する政治参加の大切さだけでなく、新聞やテレビ、ネットなど各メディアの特性も考えてもらい、選挙や災害時にフェイクニュースが横行する中、投票先を判断するためのメディア・リテラシーの重要性、選挙報道における新聞の役割や各紙読み比べの有用性について強調した。後半の大部分を質疑応答や意見交換の場としたが、大学の研究者と新聞記者の組み合わせが面白かったのか、「教科書にはない話が聞けた。こんな授業なら、もっとしてほしい」との声もあった。新たな取り組みへの励ましの言葉として受け止めた。
新聞は読者に読みやすく分かりやすい紙面作りを目指し、記事の書き方やレイアウトの仕方に工夫を重ねてきた。出前授業も同じだ。
教室の子どもたちの心に届く言葉遣いで、新聞からいろいろなことが学べることを伝えたい。それには独りよがりではない授業の展開が求められる。現場の先生らとの連携も欠かせないだろう。役に立つ情報が満載の身近なメディアである新聞。その魅力を伝え、教育に生かす工夫に終わりはない。
筆者・プロフィール
- 西田 達男(にしだ・たつお)
- 神戸新聞社 パートナーセンターNIE推進室長
「新聞研究」2017年12月号掲載
※肩書は執筆当時