“先生”体験から考える

18歳選挙権テーマに大学と連携

 中学生、高校生への出前授業は体育館で学年全員を前に講演形式となることが多い。会場の空間的な広がりの中、一人一人の顔が見えにくく、一方的な話し方になっていないか、生徒らの反応がとらえにくいのが悩みだ。

 高校生には新聞の読み方やキャリア教育に関連したテーマで話すことが少なくないが、18歳選挙権で注目される高校3年生を対象とし、神戸市内の私立大学と提携した取り組みも2017年度からスタートさせた。法学部の准教授と連携し、「18歳選挙権と若者の政治参加」を演題とした出前授業だ。各種選挙の制度的な側面は既に教科書で学習しているという前提のもと、政治参加の意義や選挙の世界的な流れについて教員が説明し、候補者を判断する際のメディアとのつきあい方や選択のための情報収集の仕方などを新聞社側が担当した。大学付属高校の3年生に、2こま計80分の授業を展開。実施までに高校、大学側と4回打ち合わせを行い、最終的に教員と講義の内容をすりあわせて授業に臨んだ。

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