“先生”体験から考える
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「言葉の力」を信じ真剣勝負―子供と出会い、新聞の可能性思う
学校新聞の講習会でグループに分かれてインタビューに挑戦する秋田県内の高校生ら=5月31日、秋田市(秋田魁新報社提供)
人前で話すのは苦手だった。上がり性のせいで、言いたいことの半分も言えなくなる。一新聞記者として現場で記事を書いていた時も、講演の依頼はなるべく断っていた。言い訳は「私の仕事は記事を書くことですから……」。人前で話すことから逃げたい。その一心だった。
それが今では、新聞の魅力を伝える新聞教室や講習会、研修会の講師を務めている。学校などに出向き、NIEや言葉の大切さをテーマに、切り抜き体験といったメニューを挟んで1時間以上もしゃべっている。対象は小中学生や高校生、社会人、教員と幅広い。メニューにない要望があれば、読者局NIE担当の記者と相談してネタを絞り出す。グループ内でテーマを決めてお互いにインタビューし、各人に短い記事を書いてもらうという高校生向けメニューも、その一例だ。
あれほど上がり性だった人間が、どうして人前で話せるようになったのか。慣れもある。年を取って、ずぶとくなったこともあるだろう。それだけではない。思い当たるのは、子供たちに語り掛け、交流することが楽しいからだ。
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