NIEを取り入れた防災教育の実践(3学年・国語科)②

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講演する山浦記者

山浦記者に質問する児童

起こり得る危険をグループで考える児童

新聞記者から防災の大切さを学ぶ

 3学年の教科書(教育出版)に「調べてほうこくしよう」という単元があります。この単元を活用して、NIEを取り入れた防災教育に取り組んでみました。国語科の目標を達成しながら、防災についての意識を高めていきたいと考えました。

 毎年、防災を取り上げた単元の初めに、被災地を取材した新聞記者をゲストティーチャーとしてお呼びし、児童に話をしていただいています。今回、指導をお願いしたのが、朝日新聞社の元釜石支局長である山浦正敬記者です。山浦記者は、震災直後に釜石支局へ赴任され被災地の取材にあたってきました。児童は事前に山浦記者が書いた記事を読み、講演を聞きました。

 山浦記者には、東日本大震災の取材についての解説や防災の必要性、それに加えて児童が記事を書くためのアドバイスもお願いしました。そのおかげで、国語科としての授業のねらいに合った講演をしていただくことができました。また、児童は事前に山浦記者の書いた記事を読んでいるので、被災地についてたくさんの質問をしていました。単に話を聞くだけではなく、児童が主体的に記者に質問し、双方向のやり取りを行うことができました。

 山浦記者からは「調べたことを記事にするときには、まずは見出しを考える。そして、見出しをもとに記事の構成を考え、はじめに一番伝えたいことを書くようにしよう」というアドバイスをいただきました。このアドバイスをもとに児童は記事を書く意欲を高めることができました。

自分が調べたい課題について考える

 講演で、防災の必要性を感じた児童は、児童が身の守り方について調べる場所を決める活動を行いました。場所を決める視点として、教室以外で全校児童のいる可能性が高い場所を挙げました。調べる場所として①トイレ②昇降口③体育館④図書室に絞りました。児童は早速、調べることになった場所の見取り図を描き、どんな危険があるかを予想しました。そして、実際に調べる場所に行き、どのような危険があるかを考えました。普段何気なく通っているところでも、大地震が起こったら大変危険が多いことに気が付きました。児童は、気が付いたことをワークシートに書き、調べる場所で起こり得る危険をしっかりととらえることができました。

 そして、児童はそれぞれ調べた場所で安全に身を守るためには、どのようなことを調べたり、どんな情報を得たりすればよいかを考えました。児童には、あらかじめ、調べる方法として、防災関係の本と防災関係の新聞記事(新聞社のデータベースを活用)、そして防災士の先生へのインタビューの三つを示しておいたので、どのような情報を得ればよいかを意識することができていたようです。これまでの活動により、防災の必要性についての意識が高まっているので、どの児童も積極的に話し合い活動に参加していました。今回の活動で調べることや得たい情報を明らかにすることができました。次回からは調べ学習に入ります。まだ3年生でもあるので、資料や情報を得る専門の方を教師の方で手配しました。今回の学習を通して、必要な情報を得る方法についても詳しく学習してもらいたいと考えています。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(2月21日)