特別支援教育におけるNIE 2015(栃木県立聾学校中学部の取り組み)

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自分を表現する言語活動への取り組み~新聞作りをとおして~

 Ⅰ 実践内容

 1 下野新聞社見学  平成23年度実施

 

2 しもつけ新聞塾(下野新聞社による出前授業)  平成23年度2回  24年度より毎年1回実施

 

3 「新聞学習」の取り組み・・・「スクラップ新聞作り」、「はがき新聞作り」の実施

 

4 教科の取り組み

 社会科や国語科の授業における新聞記事やワークシートの活用、社説書き写しノートの活用

 理科の授業における新聞形式での課題まとめ。

 

5 新聞コーナー

 中学部の廊下に各種の新聞を展示するコーナーを設置。

 

6 調べ学習による新聞作成(総合的な学習の時間)

 伝える相手がいることを前提に、作成者が意図を持ち、それに基づいた見通しを持った調べ方を心がけさせた。学習新聞では、自分が調べ、伝えたいことを読み手に理解してもらうことが目的であることを認識させた。一人ひとりのオリジナルの新聞を作るための「全体目標」は以下のとおりである。

   新聞作りの全体目標

  1. きちんと調べて書く(取材の整合性)
  2. 文字や写真のバランスを良く作る。(レイアウトの工夫)
  3. 見出しの言葉を工夫する(見出しの工夫)
  4. 文字は丁寧で、間違い等なく作る(読みやすさ)
  5. 自分らしい新聞を作る(オリジナリティーの工夫)

 

7 発表および合評会

 全体で「新聞合評会」を開き、発表する側、聞く側のそれぞれが、題材(新聞)について活発に意見を交わし、やりとりをすることで、考えて発言するコミュニケーション力を育てることを意図した。合評会では、発表を聞く側の一人ひとりが「読み込みメモ」に基づいて質問やアドバイス、感想などを発表者に発信し、発表者とのやりとりの中で互いの思いを伝え合うことができるよう支援した。

 平成26年度からは、1分間スピーチとして、発表に重点を置いている。

  

Ⅱ 実践の成果と今後の課題

 「総合的な学習の時間」の中で継続して行ってきた生徒による新聞作りは、「書く力」の充実を目標に、その根本となる、「思考力」「判断力」「表現力」に関わる活動を含めた、幅広い言語活動を取り入れたものである。

 そこで重要なことは、一人ひとりが、何に興味や関心をもち、調べたいと思うのか、その問題意識の持ち方、好奇心の度合いである。「なぜ」「どうして」「もっと知りたい」という気持ちを育てることが、考える力を育てていく基本ではないかと思う。「自分を表現する」ということは、まさにその問題意識を問われることである。自分自身を見つめ直すきっかけにも繋がる。どんなことにも「知りたい」「調べてみたい」という気持ちが持てるような生徒を育てていきたいと考える。

 毎年恒例となったオリジナルの新聞作りをとおして、生徒は自分以外の生徒の作成した新聞にも興味をもつと同時に、自分の思い、考えや表現したことを、人に伝えることの大切さ、難しさを実感している。

 今後も一人ひとりの個性を活かしながら、自己を表現したり、コミュニケーションしたりできる能力をもつ生徒を育てていきたいと考える。

本間睦美(栃木県立聾学校教諭)(11月11日)