2014年度 特別支援教育におけるNIE⑥

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 本校は、昭和38年に旧小野田市内の小学校7校と中学校3校の、当時の特殊学級の集合体として発足し、現在、小学部に二つの知的障害特別支援学級、中学部に二つの知的障害特別支援学級を有している。ちなみにこの形式の学校は全国唯一である。

 NIEの実践は筆者が中学校籍ということもあり、中学部の社会科の時間を使って行っている。年間の統一テーマとして「新聞って面白いよ」とうたい、新聞を「社会に向けて開かれた窓」との認識で活用している。

 山陽小野田市では、日本新聞販売協会の「すべての教室へ新聞を」運動のもと、全国紙3紙を各小中学校に届けているが、本校にも同様に届けられているので、比較読みがたやすくできる状況にある。新聞は教室に整理して置かれ、生徒が自由に読めるようにしてあるが、人気はドラえもんの質問コーナーであり、またポケモンの語源解説のコーナーである。

 授業は中学部全14人に対して一斉授業で行うが、障害の程度や新聞に対する興味関心の度合いが全員異なるので、新聞スクラップ一つとっても、記事に対してコメントをつけられる生徒から、はさみを使うのがやっとの生徒までいる。したがって授業における達成目標は個々で異なっていて、毎時間自己評価する手順となっている。

 ある生徒は、なかなか新聞に興味をもつことができず、学期始めの頃は何もできない状況にあったが、「新聞の中からきれいな写真を見つけてみようよ」という働きかけから、まず広告に興味をもち、切り抜くことができるようになった。またある生徒はサッカーに興味をもっていることから「サッカーワールドカップ新聞を作ってみよう」と働きかけ、自分なりに紙面構成を考え、スクラップシートを埋めることができた。

 筆者は本校に今年着任したばかりであるが、新聞を生徒の中に投じてみて明らかに生徒たちの新聞に対する姿勢が変わってきたのがわかる。今のところは「新聞を丸ごと味あわせる」段階であるが、少しずつ新聞を通して社会に対する興味関心を引き出し、新聞を通して考えさせる、また、自己表現をさせることを図っていきたいと考える。

川本吉治(山陽小野田市立赤崎小学校・竜王中学校松原分校教諭/NIEアドバイザー)(9月2日)