2014年度 特別支援教育におけるNIE⑤

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  障害のあるお子さんや地域の方々が一緒に行う地域での活動に参加しています。
  そこで、取り組まれてきたのが、障害のあるお子さんによる表現活動です。表現活動の中には、アートやダンスがありますが、その中に「新聞づくり」というものもあります。活動の内容について、障害のあるお子さんが新聞を製作し、掲示コーナーに掲示するのですが、地域の方々が掲示された新聞を興味深くご覧になっていました。手作りの新聞が地域の人々と障害のあるお子さんとの架け橋になっているといえます。
 

 ある学校で、提案をいただいたのが、「自分新聞」です。
子供たちが「生まれるまでのこと」「名前について」「どんな赤ちゃんだったのか」「入学するまでに起こったできごと」「どんな人になってもらいたいのか」「これまで出会ったことのあるひと」「どんな仕事がしたいのか」「家族のこと、ペットのこと」などについて、家族にインタビューを行います。各項目について、様式に沿って、記事を書き、見出しやイラスト、写真を検討し、レイアウトします。最終的には、新聞の名前を決めていくのですが、「自分のことを知る」「家族とのコミュニケーション」「自分を支えてくれている周囲の人々の存在」を知るということで貴重な体験だと考えられます。
 平成20年度の東京都教職員研究センターの「自尊感情や自己肯定感に関する意識調査」では、小学校高学年から中学校にかけての子供たちの「自分のよさを自分で認められにくい」といった状況が示唆されています。これらの状況を考えると、すべての子供たちが「自分を知る」といった意味で、このような新聞を活用した取り組みは有用です。
 

 最近、こんなエピソードがありました。発達障害のある小学校低学年のお子さんですが、大型台風の接近に伴い、ニュースから流れている台風情報を知り、クラスで担任の先生に「台風とはどのようなものか」を質問したそうです。担任の先生は、「大きな扇風機がぐるぐる回って風を起こしているイメージ」とクラスでお話をされたそうですが、そのお子さんは「扇風機がいつ来るか」と、とても不安になったそうです。そこで、ご家族が新聞の「天気図」を見せ、位置を示したところ納得されたそうです。
 テレビやインターネットや新聞の情報は、都市部でも農村部でも活用されています。
遠隔地にいても、「社会との架け橋」になる新聞の特別支援教育での今後の活用が望まれるのではないでしょうか。

 

高橋眞琴(鳴門教育大学)(7月17日)