特別支援教育におけるNIE⑩(特別支援学級〔知的障害〕でのICT活用による歴史人物新聞作成)

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パソコンで歴史人物新聞を作成

 特別支援学級担任になって2年目に、パソコンで歴史新聞作成の実践に取り組んだ。軽度の知的障害を持つ3年生3名を対象に、11月から卒業が控えていた3学期にかけて卒業記念という意味合いも含めて歴史人物新聞作成に取り組んだ。パソコン上で新聞作成を行う際、生徒用パソコンの新聞作成ソフトを活用した。
 知的障害を持つ生徒にとって、歴史人物学習が一番興味・関心を持つものであり、好きな歴史人物について調べることで、歴史学習のおもしろさを知るよい機会となる。
ただ、生徒にとって、調べる材料を自分自身で探すことが困難なため、好きな歴史人物を決めた段階で、さまざまな資料を提供することで調べ学習を支援する工夫が必要であった。また、いきなりパソコンで文字にするのではなく、筆記具を活用し、1枚の新聞用紙に自分自身で新聞形式にまとめさせた。その際、好きな歴史人物のイラストも書かせることで、歴史新聞作成のおもしろさにも気付くように配慮した。このことで、具体的な新聞像を持たせられただけでなく、パソコン操作で考え込み、作業が遅延することがなく、効率よく新聞作成が進んだ。
 最初は、文字の打ち方すら理解できなかった生徒も、このような活動を通して、しだいしだいに新聞作成に取り組むことができるようになり、卒業を前にして、歴史人物新聞を完成させることができた。軽度の知的障害を持つ特別支援学級生徒にとって、パソコン操作での新聞作成は思ったほど困難なことではなく、むしろ実際の筆記具による文章作成より平易であることが生徒自身理解できてきた。
 特別支援学級の生徒は新聞をあらためて読んだこともなく、まして、新聞を作成することは非常に困難なことと思われたが、むしろ生徒自身が興味・関心を持って取り組むことができることが分かってきた。このような歴史新聞作成学習が、特別支援学級の生徒に自信を持たせるだけでなく、社会に存するさまざまな困難を困難と思わない小さな契機となれば、特別支援教育でNIEを実践する意義が十分あるのではないかと考える。
 

※写真は、特別支援学級の生徒(卒業後盲学校に進学)が手書きの新聞をもとにパソコンで歴史人物新聞作成に取り組む様子

 

 

鹿児島市立城西中学校 知的障害特別支援学級担任 福丸恭伸(7月8日)