特別支援教育におけるNIE⑧(栃木県立のざわ特別支援学校の実践)

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 栃木県立のざわ特別支援学校(栃木県宇都宮市)は、肢体不自由のある児童生徒のための学校です。小学部、中学部、高等部合わせて180名弱の児童生徒が在籍しています。

 本校がNIE実践指定校になったことはありませんが、以前からNIEに関心のある教師数名が、通常学級や重複障害学級Ⅰ課程での教育活動に新聞を活用しています。

 ここでは、私の実践と、他の教師の実践の一部を紹介します。

 私は、現在中学部に所属しています。重複障害学級Ⅱ課程の担任ですが、昨年度より通常学級で技術・家庭科(家庭分野)の指導も担当するようになり、その中で何度か新聞を活用しました。家庭科の「衣生活」「食生活」「住生活」を始め、「消費生活」や「環境」、「自分の成長と家族」といったすべての領域で、新聞記事は良い教材となります。例えば、幼児のおやつについて学習したときには、白玉団子で窒息事故が起こった記事や、食品表示と添加物についての記事を提示しました。また、環境に配慮した衣生活を学習したときには、クールビズと省エネについての記事を提示しました。それらの記事を読んで意見や感想を述べることで、生徒は家庭科の学習を実生活と結び付け、学習内容の理解を深めることができたと思います。その他、授業に直接関係なくても、随時家庭科に関する記事を廊下の壁に掲示しています。身近でタイムリーな、できればイラストや写真が付いていてカラフルな記事を選ぶようにしています。昨年の梅雨時は食中毒やカビに関する記事を掲示しました。生徒だけでなく一部の教師にも関心をもって読んでもらえたようです。

 そして、司書教諭でもある私は、図書館教育係も担当しています。

 本校では新聞を全国紙1紙(昨年度前期までは2紙)と地方紙1紙、小学生新聞を1紙購読しています。それらを図書室入り口近くに設置するほか、地方紙が毎週火曜日に発行する『しもつけ子どもタイムズ』を、児童生徒が読みやすいように、絵本コーナーに掲示しています。その中の「挑戦してみようワークシート」を授業で活用する教師もでてきました。

 昨年度2学期より教育関係図書の書棚の上にNIEコーナーを設置して、NIE全国大会でいただいてきた資料や『NIEニュース』などを並べています。興味関心のある先生方から質問され、助言することも増えました。

 過去には、小学部高学年の通常学級で、新聞社がウェブ配信しているワークシートを使用して学習活動を行っていたこともありました。

 昨年度は、中学部の重複障害学級Ⅰ課程3年生の3学級(10名)で、自立活動の毎週1時間を新聞や図書を読む時間にあてたようです。ある教師から、生徒の実態から一般紙の活用は難しいとの相談があり、小学生新聞を教材に薦めたところ、生徒の学習活動が活発になったと報告がありました。生徒が興味関心をもった写真や記事を切り抜き、シートに貼り、要旨をまとめて感想を書き、発表するといった学習活動が多かったようです。これらの学習活動を通して、生徒は社会に興味関心をもつようになり、普段にもテレビのニュースや新聞記事を比較するような会話が出てきたそうです。

 現在は、高等部で新聞を活用している教師が数名います。

 通常学級2年生のコース課題では、コミュニケーション能力の向上と将来の社会参加を念頭に、教師がワークシートを作成して新聞を活用した授業を行っているそうです。

 重複障害学級Ⅰ課程1年生のある学級では、自立活動の毎週0.5時間を、新聞から興味関心をもった記事を選んで発表する時間にあてているようです。肢体不自由のために、記事の切り抜きや文字を書くことが困難な生徒もいるので、選んだ記事の要旨や感想を述べ、また他の生徒の発表を聞いて意見や感想を述べるといった活動が中心だそうです。

 また、重複障害学級Ⅰ課程で、パソコンを使い自分新聞の作成を指導している教師もいます。

 これらの実践により、生徒がどのように変容したか、また機会がありましたら報告したいと思います。 

栃木県立のざわ特別支援学校教諭 坂本 裕美(7月8日)