特別支援教育におけるNIE⑥(筑波大学附属桐が丘特別支援学校の実践)

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 筑波大学附属桐が丘特別支援学校(東京都板橋区)は、肢体不自由のある児童生徒のための学校です。主に家庭から通学する児童生徒を対象とした「本校」キャンパスと、学校に隣接する心身障害児総合医療療育センター(以下、「療育センター」)に入園中の児童生徒を対象とした「施設併設学級」キャンパスの2つがあります。

 ここでは、私が昨年度までに、施設併設学級で取り組んだNIEの実践事例の一部をご紹介いたします。

 

 まず、「施設に併設した肢体不自由特別支援学校」という特性を踏まえて、児童生徒が在園する療育センターと協力し、「日常的に新聞に慣れ親しむ環境」を設定することにしました。

 具体的には、療育センターのナースステーション前に、新聞記事を再編集した壁新聞の掲示コーナー「今日のできごと」を設置しました。毎日の新聞から、児童生徒が興味を持ちそうな写真やイラスト入りの記事を選定して切り抜き、簡単な解説文を添えてA3用紙2枚に貼り、平日の5日間に掲示を行いました。

 多くの入園児童生徒が壁新聞を見るようになり、掲示の手伝いをしてくれたり、「今日のニュースは何?」と声をかけてくれたりするようになりました。記事の選定については社会との接点を意識して社会的に大きなニュースを掲示したり、児童生徒の関心を引くために、写真やイラストが明確に掲載されたりしている記事を選ぶように心がけています。

 また、通常学校に準じた教科学習を中心とする学級では、担任の先生と協力しながら「朝の会」で新聞記事を紹介する時間を設定しました。学級が複式学級のため、上級生が下級生に漢字の読み方や語句の意味を教えてあげる場面もあり、学びあいの良さがみられました。児童生徒の在籍期間が短い学級では、学年や地域、使用している教科書も様々であり、学習の進度にもばらつきがみられるため、新聞の活用は学級の多様性にも対応できるメリットがあるのではないかと考えられます。

 当校の施設併設学級のように、医療機関に入所している児童生徒を受け入れている学校では、障害の程度や学年、在籍期間等が異なる児童生徒の実態に応じた指導の工夫や配慮が必要となります。そのような意味では、学校以外の機関(本校の場合は療育センター)と連携したNIEや、異学年同士の交流や学び合いとしてNIEを活用する方法、自立活動でのNIEなど、通常学校とはまた違った多様な学習の展開ができるのではないかと期待しています。

筑波大学附属桐が丘特別支援学校教諭 竹田 恵(6月27日)