実践指定校実践例 2014年度

新聞の魅力、リアルタイムの話題提供を目指して

近江八幡市立八幡西中学校(おうみはちまんしりつはちまんにしちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
社会科 公民的分野
新聞記事の情報から、公民的分野の学びをより身近な者とし、親しみをもてるようにする。新聞に興味をもち、新聞記事の内容から自分の思いや考えを表現できる。
資料提示(書画カメラやプレゼンテーションソフトを活用して)
新聞活用学習

(1)政治参加と世論 政治参加や世論は、民主政治でどのような役割を果たしているか考える。「過去の衆院選の投票率」 「ネット選挙」について「18歳投票についてどう考えるか」(2)選挙の意義としくみ 公正な選挙のしくみとはどのようなものか。滋賀県の立候補者の顔ぶれ、各小選挙区の状況を紹介。(3)国民と政治をつなぐ政党 政党はどのような活動をし、どのような役割をはたしているのだろう。8党首討論で出された政策目標をみて考える。公約で見る各党の主張、集団的自衛権、憲法改正、原発についての各党の公約比較

6時間

(1)新聞記事を読む。発問に対して、班ごとにホワイトボードを活用して意見を交流しあい、発表する。「6割が選挙にいかない現状をとらえ、なぜ選挙にいかないのか」「ネット選挙による若者への選挙投票の呼びかけをどう思うか」「18歳からの投票についてどう考えるか」(2)新聞記事からの紹介、衆議院議員選挙の方法(小選挙区比例代表並立制)について、滋賀県の小選挙区の数と今回の衆議院選挙の立候補者の顔ぶれ、特に近江八幡市が何区になり、どのような人が立候補しているか知る。1票の格差問題について、教科書に掲載されている内容がより具体的に起こっていることを自覚し、日本の選挙制度の問題点、選挙区の改革についての議論があることや、改革に向けた取り組みが必要であることについて考える。(3)いくつの政党があり、それぞれの主張するところを公約比較を通して考える。「8党首討論で出された政策目標についてどの党の、どの内容について共感するか」について話し合う。
「集団的自衛権、憲法改正、原発について各党の公約を比較する」新聞でまとめられた内容を用いて、それぞれの党の考えを整理する。

新聞の内容については、できるだけ身近な内容や最近話題になっている内容を吟味し、学習単元に生かせる記事を探すことからはじめ、使うことができる記事を提示し、新聞記事から得られる情報から、感じること、考えられることを意見交流するようにした。授業に生かせる新聞記事は、個人的にスキャナー等で取り込み、プレゼンテーションソフトで編集して提示するなど、新聞記事から考えられる課題や内容を提示する。

授業に必要な新聞記事を提示し、読み聞かせや新聞記事から考えられる課題や問題点を一緒に共有する授業を展開したことで、少しずつではあるが新聞に興味を持つ生徒が増えたと考えている。授業で示す新聞記事今日の新聞記事は何?」「新聞読ませて」とせがむ生徒がいて、貸し出しをしたりして、今回の実践で活用したことが生徒の新聞への興味につながったことがうかがえる。

今年度NIEの指定を受けたことがきっかけとなり、八幡西中学校にも新聞を活用した授業、またそれを活かした話題提供を模索、活用することを広く示すことができた。ただ、今回3年生の公民で実践を試みた際、新聞を活用してのレポート作成や、記事を探させるといった、生徒主体の活動時間がとれず、教師側の提示のみにとどまってしまったことは心残りである。実践としてはもっと計画をしっかりとたて、生徒たちにもっと新聞に触れる機会があればなお良かったと考える。2年目のとりくみは、新聞活用の裾野を色々な場面や、各教科、道徳などで取り上げることをテーマに実践を深めていきたい。

実践者名:近江八幡市立八幡西中学校 北川 忠裕