実践指定校実践例 2014年度

新聞投稿をしよう

広島県立尾道商業高等学校(ひろしまけんりつおのみちしょうぎょうこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語
学年 高校(高等専門学校を含む) 3年
コラムを書く,本を作る。
自分の考えや意見を的確に表現する方法を学び,新聞に投書する文章を作る。
1グループ当たり3~4紙の新聞を用意する。
新聞活用学習

 図書室において,各クラス6人程度のグループ(出席番号順)を作り,新聞投稿を読み比べ,グループ内で討議させる。図書室の机配置は,グループ討議ができるようになっている。一紙に限定せずに数紙を読み比べたり,中学生や小学生,成人の投稿も読み比べたりさせて,投稿者の意図はどこにあるのか,どのように表現したらわかりやすい文章になるのかについてグループで話し合わせた。下書きを書かせて,グループで読み比べをさせてから清書に移行した。

4~5時

(1)グループ内で数紙の投稿欄を読む。
高校生だけではなく,小学生や中学生,成人の投稿を見て,何が必要なのかについて考える。グループで読み比べて,意見を交換する。
A 各投稿では,何が主題となっているか。
B 段落構成はどのようになっているか。
C どこに主張を持ってくるのが効果的なのか。
(2)自分の書きたいことを箇条書きにして,段落構成を考える。ワークシートに書き込む。
(3)投稿用の意見文を書く。意見文を書く際,他の人の作品を読んで意見交換をする。
(4)下書きを教科担任に提出する。
(5)返却された下書きを見て,清書をする。

複数の新聞記事の投稿欄から小学生・中学生・高校生・成人の投稿記事を偏りなく集める。特に,生徒が関心を持つような話題を扱かった記事を選ぶこと(学校生活,趣味,地域の話題など)。
また,自分の書きたいことに関連した内容を掘り下げるために,図書館にある本・写真集・雑誌を読み比べることも許可した。

小学生でも,主旨の分かりやすい意見文を書いている。
小論文の指導では,起承転結または序論・本論・結論で書くように言われたが,段落は多くてもよい。むしろ,エッセーのような形式でもよいのではないかと思った。
どこにヤマ場を持ってくるか考えて書いたほうがよい。
これまで気づかなかったことや,地元の話題,目新しいテーマを選ぶと採用されやすい。

2学期の「新聞記事を用いたスピーチ」の授業を受けて,最初は,新聞記事に対する意見文を書く授業だと思い込んでいた生徒もいた。しかし,一定のスタイルを守れば自由に書いていいということに気づいた生徒も多かった。
新聞には,自分のマイペースを長所とみる「マイペースを貫きたい」という投稿と,空き家再生プロジェクトへの参加について書いた「空き家再生喜び多く」という投稿が採用された。
今後の課題は,小論文の練習の一助となるように,新聞投稿を教材化する工夫をすることである。

実践者名:広島県立尾道商業高等学校 清水美江