実践指定校実践例 2014年度

新聞を使って考える力と表現する力を育てよう

北九州市立吉田小学校(きたきゅうしゅうしりつよしだしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語
学年 小学 5年
「平和」について考える
平和に関する資料を調べたり、発表したりする活動を通して、構成の効果を考えながら自分の主張を意見文やスピーチとして明確に表現することができるようにする。
新聞記事を読んで、記事に対する自分の考えを書くことで、「平和」についての自分の考えを明らかにする。
新聞活用学習

第1時 新聞記事を配布し、記事に対する自分の考えを明らかにする。
第2時 新聞記事に書いたことをグループ内で交流する。
第3時 夏休み中にそれぞれが切り抜いた記事から意見交換をする。
第4時 「平和」に対する自分の考えを明らかにする。

第1時

本単元の学習に向け、年度当初から宿題で「私はニュースコメンテーター」に取り組んできた。そうすることで、新聞記事から事実を読み取り、考えを文章化することに親しむことができるようにした。そこで、本単元では、「平和」に関する記事を取り上げ、児童に投げかけた。具体的な記事としては、長崎で平和案内人の方が暴言を投げかけられたことに関する記事と、マララさんのスピーチに関する記事である。
児童は、新聞記事をそれぞれ読み、特に心を動かされた文章に線を引き、それらの事実から考えたことを書いた。さらに、書いた文をもとに、交流タイムを設けることで、互いの考えを聴き合うことができるようにした。そうすることで、より一層考えを練り、本単元の終末で自分の考える「平和」とは何かについて考えを明らかにすることができるようにした。

日頃から新聞記事をもとに自分の考えを明らかにする取り組みを継続的に行うことで、事実を読み取り、そこから考えを明らかにする力を育てる必要がある。さらに、それらの考えを印刷したり掲示したりすることで、互いの考えを聞くことで自分の考えがいっそう豊かになるのだという意識付けも重要である。

この後、さらに「平和」に対する自分の考えを書いて、スピーチをする学習を行った。すると、ほとんどの児童が記事を用いて考えの根拠としていた。「平和」は遠い世界のことだと考えがちであり、根拠に実体験をこめて書くことができにくい。しかし、新聞記事を活用することで、「平和」は自分たちの身の回りから生まれるものであり、自分たちが作り出していくものだという意識付けができた。

新聞を活用することで、日頃から様々な出来事に目を向けることができる。さらに、そこから自分の考えをもつように手だてをうつことで、常に生活の中の出来事に興味・関心を持ち、生活する態度を養うことができた。それは、中学生を目前とした子どもたちにとって、非常に重要なことであると言える。さらに、本年度は、子どもたちがもった考えを発信することにも重点を置くことができた。それは、全校児童に向けて、自分たちが目にとめた記事を貼り出し、投げかける取り組みである。そうすることで、考えを持つ大切さと共に、発信することで思いを共有することの大切さを実感することができた。

実践者名:北九州市立吉田小学校 高橋あゆみ