実践指定校実践例 2014年度

新聞を活用し,社会的事象に興味・関心をもち自らの考えを深める社会科学習

名古屋市立御田中学校(なごやしりつみたちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 地理
学年 中学 1年
地理的分野 「ブラジルの発展と課題」
新聞紙面を利用し,新聞に取り上げられるような話題を取り上げることで,実社会の出来事に対する関心を高める。
今実際に起きている社会的事象を取り上げ,授業の導入場面で,新聞紙面を利用し生徒の興味・関心を高め,その社会的事象をきっかけに自らの考えを深めさせる。
新聞活用学習

1限目 ブラジルの新聞記事を見てブラジルの現在の様子をとらえる。
2限目 ブラジルの現状を知り,2年後のリオデジャネイロオリンピックについて考える。
3・4限目 ブラジルの課題・問題について,調べる。
5限目 各自が調べたものを基に小グループで話し合う。
6限目 調べたことを小グループごとにクラス全体で発表する。発表後に再度,自分の考えをまとめる。

1限目

 2014年7月に終了したサッカーワールドカップ開催国のブラジルを取り上げた。その際には,ワールドカップ開催の記事や開催前にブラジルで起こったデモなど開催反対の新聞記事などを取りあげた。
 また,「ブラジルは経済発展が進んでいるけど,貧富の差が大きいみたいだね」「デモやストの理由が,医療や教育,住宅問題って書いてあるよ」「デモやストが起きてるってことは,治安が不安だよね」と新聞記事を読むことで現状や課題を大まかにとらえることができた。
 新聞記事の読み取りを行った後,学習課題を「リオオリンピックをブラジル国民が喜べる大会にするためには,どうすればよいか?」と設定し,「治安・インフラ整備・教育・医療・貧富の差」の5つの課題を調べることを決めた。

 複数の新聞記事を利用し,現在のブラジルで起こっている出来事について知ることができるようにする。見出しや記事からブラジルが抱えている様々な課題(治安・インフラ整備・教育・医療・貧富の差)について読み取り、次時以降に調べる課題を決めていく。

 生徒たちは,「ブラジル 格差問う壁」「ブラジルW杯漂う暗雲」「ブラジルW杯残った課題」といった見出しの新聞記事を読み,「開会式は凄い盛り上がっていたけど,デモがたくさん起きているね」「W杯に抗議の壁画が描かれてるね」「2年後にはオリンピックがあるけど大丈夫なのかな」といった声が上がっていた。

 実践後に「新聞を使って,今の状況がどうなっているのか。何が起きているのか。今のブラジルのことがよく分かった」という感想があった。生徒が,新聞記事からブラジルの現在の様子をつかみ,今起きている出来事からブラジルの課題を見つけることができたと考える。
 来年度に向けては,ざまざまな社会的事象が「なぜ,起こったのか」「どうしてこのような結果になったのか」「どのような課題(問題)を抱えているのか」をより深く考えていく力を身に付けていくことが大切だと考える。このような「なぜ・どうして」と思考力を育成する授業を計画していく上で,資料として新聞を活用していく実践を行っていきたいと考える。

実践者名:名古屋市立御田中学校 早川 若仁