実践指定校実践例 2014年度

受信から発信へ

府中市立国府小学校(ふちゅうしりつこくふしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語
学年 小学 4年 、5年 、6年
ニュース番組に作りかえて新製品を伝え、新商品を開発してプレゼンしよう
一つの話題に関する新聞記事を比べて読むことで、新聞の書き方の工夫や書き手の思いをつかませるとともに、自分自身の考えで情報を判断することの大切さをとらえさせる。
同じ出来事について書かれた、二社の新聞記事を準備する。
新聞活用学習

1時限目 2つの新聞記事を読み比べ、5W1Hで情報を整理する。
2時限目 事実と意見を区別してニュース番組に編集して伝える
3時限目 新商品を開発し、プレゼンする。

1時限目

(1)二つの新聞記事を読み比べる。
一つの話題に関して書かれた二社の新聞記事の、共通点と相違点は何かという視点で情報を受信する。一段落ごとに比較し、内容だけでなく見出しにも着目して読み取っていく。
今回の実践で活用した新聞記事は以下の二つである。
A:2014(平成26)年6月19日付毎日新聞「バラの香りで蚊退治」
B:2014(平成26)年6月23日付朝日新聞「バラの香りにイチコロ」

(2)読み取った内容を5W1Hで整理する。
事実を伝える基本情報である「いつ」「どこで」「何が」「どうした」「なぜ」「どのように」の観点で、必要な情報を取り出す。そして、そこから見えてきた共通点と相違点を表に整理する。

二つの記事を読み取る際に、まずは事実を伝えるための必要最低限な情報を整理させる。
次に、次時の「ニュース番組制作」を意識させ、どの情報を強調したらよいかを考えさせる。目的意識を明確にすることで、目的に応じて必要な情報が変わっていることも実感させる。
また、5W1Hに整理したものを、共通点と相違点という観点で表にまとめさせることで、相違点には書き手の思いがこめられていることに気付かせる。

同じ出来事について書かれた二社の新聞記事を扱ったことにより、興味を持って学習に取り組む児童がほとんどであった。事実を伝えるために必要な情報は共通しているが、書き手が読者に何を伝えたいかという思いによって、見出しや情報の内容が変わってくることに驚いていた。二つの記事の違いを端的にまとめることに苦戦する児童がいたため、全体で確認しながら授業を展開した。

昨年度から継続して「新聞記事から必要な情報を取り出してまとめる」学習に取り組んできたこともあり、必要な情報を取り出すことはもちろん、その情報を発信していく活動に発展させて学習を進めることができた。
低学年における実践がまだまだ浅いため、今後工夫していきたい。

実践者名:府中市立国府小学校 内海 雅文