実践指定校実践例 2014年度

新聞記事を題材とした論評の作成

福岡県立門司学園高等学校(ふくおかけんりつもじがくえんこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 公民
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年 、2年 、3年
社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、個性の確立を育む
社会の情勢や変化に関心を持たない生徒の増加に対し、興味・関心を持たせ、生徒一人ひとりに社会の一員さらに主権者であることの自覚を持たせる。
毎週、または毎朝・毎授業時間にコメントを書かせる。
新聞活用学習

1年(「現代社会」の科目の毎週の課題)・2年(「朝自習」の課題・「政治経済」の毎授業時間ごとの取り組み)・3年(「現代社会」の毎授業時間ごとの取り組み)

1年・毎週、2年・期間中毎朝・毎授業時間、3年・毎授業時間

1年・「現代社会」の課題として、毎週各自が関心を持った記事についてその内容の要約と論評を書かせ、年間を通じて発表させた。2年・「朝自習」の一環として、指定した期間中に教員が指定した新聞記事に対して、論評を書かせた。加えて、「政治経済」(文系クラスのみ)の毎授業時間の冒頭に、各自が関心を持った新聞記事に対する論評を書かせ、年間を通じて発表させた。3年・「現代社会」の毎授業時間の冒頭に、各自が関心を持った新聞記事に対する論評を書かせ、年間を通じて発表させた。

1・2・3年の授業に関する論評については、当初は各自が気になった題材についてはまず社会の情勢にとにかく関心を持たせるため、ジャンルを限定しなかった。後半になると、政治・経済・社会の、特に自分たちに関係のあるような題材に限定した。2年の朝自習については、生徒に身近な題材を選んで提供した。

当初は、芸能・スポーツのみを書きたがる生徒もいたが、徐々にいなくなった。また、記事をなぞるだけのような生徒も見られたが、各自が論評でき、健全な批判を含んだ建設的積極的論評をする生徒が増えた。また、授業以外でも、6紙の新聞を掲載するコーナーにたくさんの生徒が集まるようになり、学年・性別に関わりなく同じ事象でも新聞の取り上げ方が違うことを指摘しながら、活発にかつ自由に話し合っている姿が見られた。

せっかく6紙を配達していただきながら、2か月内の校内の行事の関係で、6紙の比較を授業で取り上げる時間が取れなかったことが残念である。また、NIEは新聞を配達していただく2か月間ではなく、また、NIE実践校だけの問題ではなく、生徒の社会現象への関心・知識の希薄さの急速な進行を、すべての先生方が危機感を持ち、新聞を中心にしたその対策を模索することが大切である。

実践者名:福岡県立門司学園高等学校 松下克也