実践指定校実践例 2014年度

2学年での取り組み

岩手県立大槌高等学校(いわてけんりつおおつちこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語 、キャリア教育・進路指導
学年 高校(高等専門学校を含む) 2年
自分の意見を持とう
新聞活用学習

(1)目的
記事の漢字を読み書きでき、記事に対する自分の意見を示すことができるようにする。また、記事を通して、進学、就職に関連した知識を得ることを目的とする。
(2)主な実践
 ①新聞プリント(漢字・語句・意見)
 ②小論文のタネ(新聞記事分類、新書)

授業の導入・課題

①新聞プリント
 国語の授業開始時に、新聞プリントを配布し、5分程度で取り組ませた。
  新聞プリントは、記事の漢字を練習するもの(資料1)、記事の語句の意味を調べるもの(資料2)、記事に対して自分の意見を述べるものの三種類があり、一時間に一種類ずつ取り組んだ。
  漢字は漢字検定、語句は語彙読解力検定への対策につながることを伝え、目的意識を持って取り組ませた。落ち着きのない生徒であっても、プリントを渡すと集中し、静かに取り組むため、授業の導入に役立った。
  意見のプリントは回収し、添削、コメントを記入し、次の授業時に返却した。この意見のプリントは、文章指導の際、他者に効果的に伝える文章構成の指導、さらに、話し言葉、漢字の間違いといった生徒が誤りやすい点の指導にいかすことができた。
 ②小論文のタネ
  小論文、面接で必要となる、自分の学びたい分野の知識を得ることを意識した。
教室前の使用していないロッカーを利用し、「小論文のタネ」と題し、新聞記事を「教育」「福祉」「国際」等に分類して、ファイルにまとめたものを入れておいた。
 ファイルを入れた段の下のロッカーには、その項目に関連した新書を入れておき、自由に借りていけるようにした。
 

小論文のタネについては、新聞プリントとは違い、一斉に取り組むものではないため、関心を持つ生徒と持たない生徒に差が出てきた。そのため、長期休業中の課題として、新書を読み、本の内容、自分の考えをまとめる、読書レポートを書かせた。これによって、小論文のタネに目を向ける生徒が多くなってきた。

明確なデータとしての変化はみられていないが、生徒たちは以前よりもニュースに関心を持つようになってきた。新聞プリントで取り上げる記事を、最初の頃は、知らないと言っていた生徒がいた。しかし最近では、新聞で読んだ、テレビで見たという声が、新聞プリントを渡す際に聞こえ、生徒同士で意見を交わす場面もみられるようになってきた。
 今後、活動を継続することで、興味を持つだけではなく、検定の取得、小論文の指導に役立てていけると考えられる。
 課題点としては、記事を選定する負担が大きいことから、他教員との連携が必要になってくることがあげられる。

実践者名:岩手県立大槌高等学校 佐々木 公佑