実践指定校実践例 2014年度

食育×新聞学習 ~食について、関連した新聞記事を活用して考えよう~

伊勢市立中島小学校(いせしりつなかじましょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 総合学習
学年 小学 4年
「リトル・シェフの作ってみよう」(中日新聞朝刊)に応募しよう
新聞のレシピコーナーへの掲載を目指すことを通して、野菜嫌いの克服をはかろうとすることができる。
掲載された「食」に関連した記事を切りぬき感想を書き、「食」について色々な角度から見つめ直す
新聞活用学習

(1)課題作り(朝学習+3時間)
(2)「食」について考えよう(朝学習+給食の時間+2時間)
(3)野菜料理を作ろう パート1(5時間)
(4)給食について考えよう(1時間)
(5)新聞記事を選んで読もう(3時間+家庭学習)
(6)「食」(野菜)についての理解を深めよう(3時間)
(7)「リトル・シェフの作ってみよう」(中日新聞朝刊)に応募しよう(15時間)

総合的な学習の時間(全32時間)

(1)新聞を活用しての朝学習
毎朝、学級通信の裏面を利用しての新聞朝学習を行っている。具体的には、写真と文が結びついている記事や、小学生や中学生の投書欄に掲載された文章を読んで感想を書き、発表し合う形式をとっている。漢字さえ読めれば、新聞記事から情報をたくさん仕入れることもできるので、社会科の学習というより、雑学感覚で新聞に親しみをもって欲しいと思う担任の投げ入れで活動を始めた。新聞記事を通して、家族の会話の幅を広げてもらうことも視野に入れている。  
(2)「食育×新聞」で学習開始          
総合的な学習の時間に「食育に関する新聞記事から考えよう」ということで、「中日・朝日・伊勢・日本経済新聞」4紙に掲載された「食」に関連した記事を切りぬき感想を書き、「食」について色々な角度から見つめ直す取り組みを行った。一番人気は、中日新聞朝刊に掲載されている「ジュニア中日」の定番コーナー「リトルシェフの作ってみよう!」であった。今後も新聞を活用しながら「食」への理解を深め、調理を行っていくことをみんなで確認した。
(3)「リトル・シェフの作ってみよう」に掲載
野菜嫌いを克服するため、自分たちで野菜料理のレシピを考え、実際に調理し、その内容をプレゼンし、意見交換を行った。
そして、クラスの5グループすべてのレシピが、平成26年1~5月の毎月1回、中日新聞に掲載されることとなった。

・今回は、食育と新聞学習のコラボの形態をとったが、新聞掲載が主目的ではなく、野菜嫌い克服の手段であることを念頭に、学習を進めさせた。
・レシピ原稿づくりを目指した調理実習には、保護者数名にもボランティア参加してもらい、保護者も巻き込んだ取り組みとした。
・実際に、新聞各紙に多くの食に関する記事が掲載されているので、児童が新聞応募用のレシピ原稿を作成する際に、参考とさせた。

・食育と新聞学習のコラボということで、興味関心をもって、クラス全員で取り組むことができた。
・野菜嫌いの児童も、新聞学習や調理実習を行ったおかげで、楽しみながら学習を進めることができ、野菜嫌いの克服とともに、新聞記事への親近感も高まった。
・実際に自分たちが考え応募したレシピが、1月から5月まで毎月1回新聞に掲載されることとなり、レシピと自分の名前が紙面に掲載されるたびに、大いに盛り上がった。

成果
これまで、学級通信「たけのこ」を家族に見せる際に、裏面に印刷してある新聞記事が家族間の話題となっていたが、食育と新聞学習のコラボによって、食に関する記事が新たに家族団らんの話題となり、食への関心がこれまで以上に高まった。また、自分たちが考えたレシピが掲載されるたびに、児童は大喜びであった。
課題
新聞を活用しての学習は、工夫によっては、まだまだ大きな可能性を秘めていると思う。実践指定校2年目においても、やはり「新聞は宝の山」であった。いかに宝を探し出すかについては、児童の発達段階、興味関心の度合いによって考慮する必要がある。これからも、児童自らが新聞の有効活用を図れるように支援していきたい。

実践者名:伊勢市立中島小学校 武久 隆弘