実践指定校実践例 2014年度

新城を救え!第1回千郷中サミット~バズセッションをしよう~

新城市立千郷中学校(しんしろしりつちさとちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語
学年 中学 1年
バズセッション(小集団学習法の一つ)を通して、グループで話題を捉えて話し合う。
新聞記事を基に意見をもち、グループで協力して意見交換をする。新聞記事を基に、自分の考えや立場を明らかにし、相手の反応を踏まえて発言する。
約1か月間、新聞記事を集めてデータベースとし、それらを自分の意見の根拠とした。
新聞活用学習

1時限目・中日新聞の“消滅可能性都市”に関する記事を読み、「新城市が危ない!問題」について考える。
2時限目・新聞記事を基にして、自分だけの「過疎化対策案」を考える。
3時限目・バズセッションをして、解決策を考えるめたに、バズセッションのやり方を覚える。
4時限目・身近な題材で、バズセッションの練習をする。
5時限目・バズセッションをして、意見を深め合う。
6時限目・学級で2つの「過疎化対策案」を決定し、発表練習や質問対策をする。
7時限目・第1回千郷中サミットを開催する。

1、5、7時

1時限目・「新城市が危ない!問題」について考えよう。
(1)5月9日の中日新聞の“消滅可能性都市”に関する記事を読もう。
(2)どうすれば新城市の過疎化を防ぐことができるだろうか。
(3)過疎化を防ぐ対策の手がかりとなるような新聞記事を集め、データベースを作ろう!→1か月間
5時限目・バズセッションをして、意見を深め合おう。
(1)一人一人の対策案ごとに、6つのグループ(新城市のPR、福祉、産業、交通、特色作り、施設)に分かれる。
(2)新聞記事を例や根拠にしてそれぞれの対策案を発表する。
(3)自分の意見と比べ、相手の問題点やよいところを見つけ、グループで話し合う。
(4)各グループで出た対策案や方向性などを学級全体に発表し、全体でも話し合う。
7時限目・第1回千郷中サミットを開催し、各クラスの対策案を新城市役所企画課の方に聞いていただこう。
 学年全体で開催し、以下の過疎化対策案を発表、質疑応答をした。
a.空き家利用
b.交通整備 
c.母親をサポートする 
d.共通通貨を作る 
e.子育て支援対策 
f.エコカー工場誘致 
g.職業安定 
h.女性を増やして人口増加 

新聞記事を根拠として対策案を考えさせた。そのために生徒が集めた新聞記事は全員のデータベースとして、種類ごとに分け、自由に見られるように設置した。
バズセッションでは、新聞記事を見せながら、「これが私の対策案の根拠となる記事です」と、記事を要約したメモを手元に置いて、スムーズに要旨を伝えられるようにした。

 新城市役所企画課の方々から、すでに実施に取り掛かっているものとほぼ同じプロジェクトも存在しているとの話もあり、生徒から思わず声が上がった。また、「新聞から他の市や新城市の様子をよく読み取り、大変現実的な対策案を提示していて驚いた。しっかりと社会のことを考えていてすばらしいです」というお言葉をいただき、生徒たちは大変満足げな顔をしていた。

新聞記事から課題を設定した話し合いにより、問題を常に意識した学習を展開することができた。また、新聞記事を根拠に使うことで、目的から逸れることなく学習を進めることができた。また、話し合いの中でも、根拠を意識し、注目した発言が増えた。
千郷中サミットという目的意識を明確にした学習は、生徒の意欲を持続させるために大変有効的であった。また、グループをスモールステップで短期間の内に学級から学年へと大きくしていくことで、生徒は同じように話し合い活動に取り組むことができた。
反省としては、話し合いの成果を明確にする手立てが必要であった。この点を明確にし、話し合いの成果が達成感や次への意欲につながるようにしていくことが、今後の課題である。

実践者名:新城市立千郷中学校 金田茂己