実践指定校実践例 2014年度

5年目を迎えた 裁判員制度の成果と課題とは何か

大町市立美麻小中学校(おおまちしりつみあさしょうちゅうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 社会 、道徳 、総合学習
学年 小学 6年
私たちの暮らしと日本国憲法 ~司法の中の国民主権 裁判員裁判
新聞制作学習 新聞活用学習

第1時
立法と司法との関連を「一票の格差」記事から考え合う

第2時
裁判員制度に関する記事に寄せて、選出された場合を想定し考え合う

第3時
裁判官側・検察側・弁護側に分かれた模擬裁判とまとめ新聞制作

3時間中 第2時

◆本時のねらい
5年目の裁判員制度の記事を読み、成果と課題について意見交換を児童が、裁判に携わった弁護士や参加を要請された方の思いを聞き、自分が選ばれた場合を想定し、司法における国民主権「裁判員制度」に関心を寄せていくことができる。
◆授業展開
①国会と司法の立場で異なる見解がある「一票の格差」について、関心を寄せた前時を振り返る。
②裁判員制度の記事や実際の裁判に関わった弁護士の話から、内容をとらえた後、仲間の考えを聞き、自分の考えとつなげたり重ねたりして、立ち位置を明確にする。
 ◎学習問題: 5年目を迎えた裁判員制度の成果と課題とは何か
・資料記事1   朝日小学生新聞5月20日付けから
キーワード:市民感覚 わかりやすさ えん罪 慎重な判断 よい経験 心の負担 難しさ
・資料2 弁護士との電話のやりとり *関心を寄せ始める子どもたちを揺さぶるための仕掛け
キーワード:背景を考慮した情状酌量の減刑 市民参加 手間暇かける意味 身近
③最高裁判所からの「裁判員裁判」を依頼する文書と出会い、自分の見解を述べ合う
 ◎学習目標:裁判員裁判への参加依頼を国民の義務・権利として承諾しますか  できない理由を探し断りますか
・資料3 裁判所からの郵便物(実物)
・資料4 文書を受け取った家族の思い 本人 夫 子ども それぞれの見解
④5分間レポートで本時をまとめる

(1)ニュースや記事を用いて、自分の生活と政治や憲法との関わり方を見つめるよう、揺さぶりをかける。
(2)多様な思考へと膨らませていくよう、仲間との語り合う場を設ける。
(3)レポート形式の新聞を作成する中で、事実・自他の考え・今後のあり方・疑問や残された課題をまとめる。
(4)教科・道徳とリンクさせ、迫れるようにする(道徳:レ・ミゼラブル 社会まとめ:公害訴訟)。

・教室の中で、子どもがのびのびと自分の意見を言っていて、それが勝手な言葉ではなく、ちゃんと議論になっている。
・授業のゴールである「裁判員裁判について、根拠を持って考える。関心をもつ」ことが、見事に達成されていた。
・美麻が進めている協働の学びのスタイルと、新聞活用が自然にマッチしていて、子どもたちの思考力がかなり高まっているのを感じた。

成果(参観者の感想より)
・他校の実践を多く見てきたが、他校の児童より新聞をよく読んでいる。新聞がとってつけたような教材ではなく、日常の延長にある。
・NIEのためのNIEではなく、新聞は授業を作る上での一つであり、弁護士さんに電話したり、裁判員裁判の本物の資料を提示したりして、子どもの心をつかんでいた。
・新聞が5分の5,ではく、新聞が5分の1の授業は、無理がなく、先生のねらいが明確だった。
・「冤罪」「承諾」「無期懲役」など、難しい漢字を読めるだけでなく、授業の中で平気で飛び交っていて、6年生とは思えないような語彙力である。
・児童のつぶやきを上手に拾ったり、児童とのやりとりをうまくまとめたりして、本時の授業の核心に迫っていく先生の手法は見事であり、脱帽した。

実践者名:大町市立美麻小中学校 小林隆(黒岩理恵子)