実践指定校実践例 2014年度

職場体験学習によるNIE活動

岡山中学校・岡山高等学校(おかやまちゅうがっこうおかやまこうとうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 総合学習
学年 中学 2年
新聞から社会問題を見つけて深く考えることで、社会的な問題意識を養う。
職場体験に出向く職業の抱える問題点を新聞の中から拾い上げて現場でインタビューを行うことで、社会的な視野を広げる。
学校で定期購読している4紙を、生徒が読んだ後に中2の教室に置くようにする。
新聞活用学習

10分間読書の時間を利用し、週に2回は新聞を読む機会を持った。生徒たちには昼休みや放課後などの時間も利用するように指導した。

10分間読書と総合4時間

(1)4月から生徒たちには10分間読書の時間を利用して、週2回は新聞を全員で読む機会を作った。
(2)2学期に入り、各生徒には自分の職場体験の職種についての疑問点や問題点を2つずつ選ばせた。選んだ新聞記事については、決められた書式のプリントに貼り付け、その内容をまとめさせた。各担当教員がその内容を確認し、選んだ問題点が現場のスタッフにとって回答しやすいものなのかどうか、また問題の切り口が中学生らしいものなのかどうかなどを指導し、そのプリントを持って10月下旬の職場体験に臨ませた。
(3)職場体験後には、体験とインタビューの内容をパワーポイントを使って報告する成果発表会を行った。この発表会の準備に総合の時間を4時間かけた。

生徒の選んできた問題点に、指導者が口を出しすぎないようにした方が良い。ただし、中学生が職場のスタッフに聞くのにふさわしい質問かどうかについては、指導する必要があると思う。できるだけ生徒自身が考えた問題点をインタビューさせることが重要だと思う。

職場体験がただやらされるだけの受け身的なものではなく、自分たちで考えて取り組むものという積極的な意欲が生まれたように思う。職場の緊張感を感じながら聞く現場スタッフの言葉は、本当にいい勉強になっていたようだ。生徒たちが一般的な型通りの問題点ではなく、思った以上に面白い記事を選んできていたのもよかった。

職場体験にNIEを導入することで、生徒たちは新聞と社会とのつながりをより意識できたし、新聞の読み方にもにわずかながら変化が出たように思う。ただ問題点もいくつかあった。まず職種によって新聞記事の取り上げられる量に差があるため、最終的にインターネットの利用を許可する職種が出てしまったこと。あとひとつは職場によっては体験作業が非常に忙しく、十分な回答を得られなかったことである。こういう問題点はいくつかあるものの、NIEの導入が職場体験の意義を高めてくれたことは間違いないと感じている。

実践者名:岡山中学校・岡山高等学校 長尾 秀和