実践指定校実践例 2014年度

経済について生徒の興味 ・ 関心を高めるための授業実践

三重県立四日市商業高等学校(みえけんりつよっかいちしょうぎょうこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 特別活動 、その他(商業)
学年 高校(高等専門学校を含む) 3年
商業高校3学年「課題研究」
経済の動きがわれわれの生活にどのように複雑に影響するのかを時系列に把握して、自分たちの未来を展望する力をつける。
生徒2人でペアを組み、新聞記事の中から1週間単位で経済ニュースを読み取り、今後の動きを予測する。
新聞活用学習

3学年「課題研究」は、木曜日5・6限の連続授業で週2単位。

課題研究

日本証券業協会が提供する「株式学習ゲーム」をオンラインシステムで常時利用できる情報処理室で、新聞とオンラインニュース、そして株価の変化の3要素で経済の動きを把握する授業。生徒たちはあらかじめ2人でチームを組み、自分たちで分担する新聞紙を決め、1週間分の記事から経済ニュースを拾い読みする。そして、これからの景気を予測したり、企業業績の向上につながる判断材料を生徒同士で討議します。この討議内容の良い点と、逆に気付いていなかった内容の検証や反省点を教師側から提示して、経済への理解を深める。最後に、この実践を通して、多数の情報からマクロ的な判断ができる力を身につける一助にもなった。

所得を得る訳でもない社会経験の浅い高校生に理解しやすいよう心掛けた。世界的な視点に立って、ある国の経済政策がドミノ倒しのように次々と波及する事例をやさしく解説した。例えばギリシャの財政不安に端を発したユーロ危機や原油価格の下落がもたらす経済的メリットなど。また、株式投資における短期利潤追求に陥らないためにも、経済学部教授を招聘し、経済をやさしく解説していただいた。


1年間の実践を振り返った生徒の感想を紹介する。「この授業を経験することで、新聞の1面すら見なかった私が、今までとは違ってニュースをこまめに確認し、経済欄まで見るようになった。これらの習慣がついたことにより、日本政府の経済政策に対して、自分の意見を持つことができるようになった。そして、政治に対しての興味・関心も高くなった」

3年生の「課題研究」選択生徒全員が、日本銀行内に組織されている金融知力普及協会主催の「エコノミクス甲子園」三重県大会に出場した。社会科で「政治・経済」を学ぶ進学校の生徒と商業科の生徒が競い合う図式となった。その中で、NIE教育で経済を学んできた女子チームが、3位入賞を果たした。生徒の努力と併せて大きな成果と言える。次に、全国紙が毎日配達される絶好の機会を得たので、この恩恵を全校生徒と教職員とが共有するためにも、誰もが見たいときに手に取れることが肝要と思った。そこで、生徒や教職員の往来が多い職員室前の廊下に横一列に並べた。おかげで、新聞の投稿記事を読んで社会問題を考える2学年の朝学習に利用する実践の輪が広がった。

実践者名:三重県立四日市商業高等学校 弓矢 伸一