実践指定校実践例 2014年度

相手意識を持つことで育まれる表現力

大桑村立大桑小学校(おおくわそんりつおおくわしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 社会 、生活 、総合学習 、特別活動
学年 小学 2年 、3年 、4年 、5年
伝える相手を意識しながら新聞を書いたり、それを基に話し合ったりする。
相手意識を持って新聞を書くことで、表現を工夫したり、わかりやすく伝えようとしたりする力を育てる。
地域の人々(福祉施設やその他公共施設などの)と交流するため、その方法の一つとして新聞を書いて学校や自分たちの様子を紹介する。
新聞制作学習 新聞活用学習

第1時 デイサービスセンターのお年寄りと交流する。
第2時 交流計画を立てる。
第3時~第18時 大桑小学校新聞を作る。
第19時~第25時 デイサービスセンターの人へ紹介する仕方を考える。
第26時~第28時 デイサービスセンターの人たちとの交流
第29時 活動のまとめ

1~29時

 総合的な学習の時間にデイサービスセンターのお年寄りの方々と触れ合った子どもたちは、お年寄りの方々が、「もっと子どもたちと触れ合いたい」、「もっと学校のことが知りたい」と願っていることを知った。
 しかしながらお年寄りの方々は外へ出かけることが難しく、学校を訪問できない。また、自分たちもデイサービスセンターを訪問できる時間が限られている。
 そこで、大桑小学校新聞を書き、それを読んでもらって小学校のことや子どもたちのことを知ってもらおうと考えた。
(1)訪問してお年寄りの方々と交流する。
(2)お年寄りの方々がどのようなことを知りたいと願っているかを尋ねる。
(3)尋ねたことを元に記事の内容を考える。
(4)記事を書くために、アンケートを取ったり、インタビューをしたりする。
(5)記事の下書きを書く(グループで1面を書く。計8面の新聞)。
(6)おうちの方々や先生方に読んでもらい、さらに内容や見出しを工夫する。
(7)清書して印刷。
(8)デイサービスセンターの方々に持っていき発表したり、それをもとに会話をしたりして交流する。
(9)活動の振り返りをする。

本物の新聞のように数面ある新聞を制作する。互いに記事に書きたいことや伝えたいことを相談し合えるように、グループで一つの面の記事を担当し、制作する。
あくまでも「交流」を大切に考え、新聞の出来栄えにこだわりすぎないようにする。

これまで、活動のまとめとしてのみ新聞を書いていたが、「デイサービスセンターのお年寄りの方々に伝える」という相手意識を持つことで、より目的意識がはっきりした。読んでもらったときに、「面白いね」と思ってもらうことを願いながら書いたので、より工夫を凝らしたり、間違いがないように書いたりしようという意識が高まり、素晴らしい新聞を作り上げることができた。

「新聞を書く」ことに相手意識を加えることで、より表現力やコミュニケーション力が高まった。具体的には、お年寄りがわかりやすいような内容や見出しを考えることで、一文一文を短文にし、わかりやすく伝えようと心がけたり、よりよい記事にしようと話し合うことで友達に伝えたり、友達の話を聞こうとしたりする気持ちが高まった。
また、デイサービスセンターの方に発表したり、会話したりする方法を学んだり、情報を発信することに喜びを見出したりすることができた。
課題は、新聞活用学習、新聞機能学習ができなかったので、そちらにも視点を当ててみたい。

実践者名:大桑村立大桑小学校 兀下漠