実践指定校実践例 2014年度
「女性の生き方の多様化」を見守る中で
南山高等学校女子部(なんざんこうとうがっこうじょしぶ) |
教科、科目、領域 |
高校(高等専門学校を含む): 家庭 |
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学年 | 高校(高等専門学校を含む) 1年 |
家庭基礎・パートナーシップでつくる未来 |
~独り立ちをするということ~今の社会や生活を知り、未来へ向かって自分らしく、よりよく生きるための展望をひらく |
家庭や学校で毎日新聞に目を通す習慣を身につけ、慣れてきたところで他社の記事との読み比べを行ない「考え・論じ・発信する」力を身につける。 |
【1時限目】新聞を毎日読み、興味のある記事を切り抜きコメントを記入する課題を教材と共に提示し、「新聞切り抜き作品コンクール」全員参加のためのガイダンスを行なう。
【毎時間】授業の初めに数人が選んだ記事の要約と感想を述べ教員が補足説明を行なう。
【HR1時間】コーディネーターの先生をお招きしての出前授業実施
【半年後の1時間】「テーマ」「読者に伝えたいこと」「見出し」についての検討
【3時間】作品制作(不足時間は冬休みの課題とする)
トータル10時間程度 |
(1)選んだ記事の要約・感想・意見の発表と教員からの補足説明を週1時間の授業の数分を利用し、毎時間継続して行なう |
(1)活字媒体に慣れさせる為、保護者への協力を呼びかける |
【中日大賞を受賞した生徒の感想より】
新聞作りに際し、工夫した点は以下の3点です。1点目は「レイアウトと色」です。オリジナリティーを出すため、数種類のパターンを書きだし慎重に決定しました。2点目は「新聞の読み比べと、テーマに関する書物の読書」です。記事の読み比べと読書は作品の方向性を決めるのに役立ちます。3点目は「見出し」です。制作の終盤で自分の気持ちを短い言葉で表すと作品が引き立ちます。
女子部の「切り抜き作品」の挑戦は3年が経過した。今年度は中日大賞をはじめ多くの生徒の作品に賞をいただき感謝している。授業で行なった1年間の切り抜きを通して新聞をより身近に感じ、数種類の新聞を購読し始めた生徒もいるようだ。授業時間確保のため指導には限りがあり、生徒の自主性に任せているのが実情である。まさに、教員は教えるのではなく「種をまく人」であった。良い種を見極め撒き、光を当て、施肥し、生徒自身が持っている成長する力をゆっくり見守る役割であることを実感した。今後の課題としては「物の見方の多様性」を考えさせてみたい。例えば英字新聞など各国の新聞を利用し、同じ出来事の捉え方の違いを「見出し」だけでも読み比べ比較するような取り組みは興味深い。
実践者名:南山高等学校女子部 稲見久子