実践指定校実践例 2014年度

~私のプレゼンあなたに届け~

岩手県立盛岡第二高等学校(いわてけんりつもりおかだいにこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語 、地理歴史 、公民 、情報 、総合学習 、キャリア教育・進路指導
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年 、2年 、3年
新聞切り抜き帳を使って情報収集力、情報活用力を養う
新聞を使って言語活動を活性化させ、生きる力を育てる
1.社会に目を向ける 2.自分の興味、進路を考える 3.要約力、発表力をつける
新聞活用学習

(1)目的  新聞を読み、記事を選び、要約して、それに対する意見を書き、スピーチ原稿としてまとめ、スピーチする多様な言語活動を行うことで、論理的な読解力、表現力を身につけることで、進路目標を達成する一助とする。
(2)対象及び期間  全校生徒・前期・後期各1回
(3)方法 a 発表者 クラス全員 (1SHRに1人発表) 
      b 発表時間・・・2~3分
      c 発表内容・・・新聞を読んで「今、興味あること」の載っている記事を発表資料にまとめ、発表する。

朝のSHR時

1.新聞をどう活用したか
(1)発表資料作成までに
・新聞を読んで興味深かった記事を切り抜いておく。
・1週間前に、その日発表した人から資料ノートを受け取る。
(2)資料ノート作成手順・・・資料の作り方
・発表資料ノート見開き2ページをつかって作成する。
・左ページには新聞の切り抜きを貼り付ける。
・右ページには
①要約
②自分の感想
③スピーチ原稿 (どのような記事か、なぜこの記事を選んだかをテーマに沿って説明する内容とする)をまとめる。
(3) ミニプレ発表要領
a.前に出る(教卓に就く)
b.挨拶-これから「今、興味あること」を発表します。
c.発表・資料提示(新聞切り抜き)-これは・・・についての記事です。
d.説明まとめ-・・・これを選んだ理由は、今私が興味あること・・・だからです。-私はこのことについて・・・(自分の興味との関係、考えたことなど)・・・
e.質問意見-感想を〇〇さんお願いします。
f.先生から講評
g.挨拶-これで発表を終わります。

*発表態度等を次の人が以下の3つの観点 (ABC3段階)で評価する。
・発表態度・・・顔を上げ、原稿を見ないで話す。
・発声度合い・・・後ろまで届く大きな声で話す。
・発表内容・・・伝える価値のある内容を話す。

  留意点 相手のための評価をする。
 *評価表を書いたら担任へ提出する。
 *担任は一口講評を書いて、次の担当者へ渡す。

 今年度のミニプレを振り返って、全校から次のようなアンケートを取った。
2回のミニプレは次のような目的を持って行っています。 自己評価をお願いします。あてはまるものに○をつけてください。a新聞を読むようになった  b社会に目を向けるようになった c自分の興味、進路を考えることができた d要約…感想…発表の力がついた e他の人の発表を聞いて参考になった。ーほぼ、全員が3つ以上の○を付けた。

 情報収集の手段として新聞を使ったことには理由がある。今はインターネットで多くの情報を集めることができる。しかし、まとまった社会事象を切り取ってくるには、ネット情報は非常に不便である。新聞記事はその背景や問題点までまとめてあること、それが見出しで示されていることなど、ネット情報では得られないプレゼン用情報が用意されている。新聞は既に「プレゼン用の提示資料」なのである。
 これまで新聞の活用は国語の教科としての「天声人語」の要約、感想や文化欄、社説などの記事の要約、感想などに留まっていた。それをミニプレで科目横断的に「生きる力を育てる言語活動」として捉え、その主要な教材として新聞の切り抜きを使うことにした。これは極めて教育効果が高い教材だった。本校の教育活動に新聞を取り入れた意義は大きい。

実践者名:岩手県立盛岡第二高等学校 菊池 陽