実践指定校実践例 2014年度

新聞記事を活用した社会科公民的分野の授業

武蔵村山市立第四中学校(むさしむらやましりつだいよんちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
市場経済と金融
授業で生徒に新聞記事を提示することにより、社会的事象への関心を持たせる。
新聞の実物を生徒に見せる。生徒に新聞記事の切り抜きを配布する。
新聞活用学習

1時限目 変動為替相場制や円高・円安の意味、為替相場の変動が貿易に及ぼす影響等について学ぶ。
2時限目 記録的な円安によって恩恵を受けている企業や人がある一方、不利益を被った企業もあることを、新聞記事で具体的に理解する。

1~2時

(1)教科書を使って変動為替相場制とは何か、円高・円安とは何か、円高・円安になるとどのような影響が現れるか等の基本的な事項を学ぶ。時事問題として、現在は円高・円安のどちらであると新聞は伝えているか考える。
(2)記録的な円安・ドル高が進んだことを伝える新聞記事を読む。また、この円安に関するルポルタージュ記事を読み、どのような企業や人が円安の恩恵を受け、どのような企業が大打撃を受けたかを調べ、ワークシートに文章で記述し、発表する。

生徒が興味を持ちやすく、理解しやすい事例が載っている新聞記事を選んで読ませた。自力でワークシートに記述することが難しい生徒がいる場合は、近くの席の人と話し合いながら進めてよい旨をアドバイスし、気軽に課題に取り組めるようにした。

教科書に書かれている「円安は輸出に有利、輸入に不利」という一般的な知識の具体例を、新聞記事を通じて理解できたようである(輸出向け自動車の部品を製造する企業は、輸出が好調なため大忙しで、収益が増え、従業員の賃上げも実施できたこと、輸入大豆を使って豆腐を製造・販売していた店舗は、大豆の高騰で経営が困難になり、閉店を決めたことなど)。

家庭に新聞があってもすすんで手に取ることのない生徒や、新聞を購読していない家庭の生徒もいるため、生徒がどの程度関心を示すか、どの程度記事を理解できるかが心配であったが、3年生であるためか思ったより反応は良く、意欲的に課題に取り組む生徒が多かった。新聞を活用して作業をさせる機会はまだ頻繁ではないので、今後も努力したい。

実践者名:武蔵村山市立第四中学校 高桑 優