実践指定校実践例 2014年度
~正義の味方になってみたい~ 「新聞投稿文を作ろう」
静岡市立高松中学校(しずおかしりつたかまつちゅうがっこう) |
教科、科目、領域 |
中学校: 国語 |
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学年 | 中学 2年 |
不特定多数の読者に向け、事実や意見が効果的に伝わるように、形態や展開を工夫する。 |
①単元、投稿文について知る。(1時間)
②どのような作品が新聞に掲載されるか考える。(1時間)
③文章の構成を考える。(主張、具体例)(1時間)
④下書きを書く。(1時間)
⑤推敲し、清書する。(1時間)
⑥友達の作品を読んで評価する。(1時間)
6時間 |
(1)単元の流れ、目標、評価を理解する。実際の新聞に触れ、投稿が読者の意見文であることを理解する。 |
近年、SNS等で簡単に行えるようになった不特定多数への発信を意識させるため、その代表である新聞投稿文を読んだり、書いたりする経験をさせた。まず、実際に新聞に掲載された同年代の投稿文を用意し、一人一人に読ませ、それらを「生き方、家族、学校生活、地域、日本、世界、進路」のグループに分け、1グループ4~5人で「どのような文章が新聞に載るのか」を考え、不特定多数の読者を意識させるところから単元を始めた。 |
新聞社の選者の話を聞く機会を得たことは、生徒にとって新鮮で、新聞の読者を意識するきっかけとなった。また、 「自分の書いた投稿文が新聞に載るかもしれない」という設定は、生徒にとって意欲を喚起させるもので、普段の「書くこと」の単元よりも、真剣に構成を考えたり、推敲を繰り返したりと、熱心に取り組む様子が見られた。さらに、実際に作品が新聞に多く掲載されたため、生徒が達成感を感じることができた。
これまで不特定多数に向けた文章を書いたことがなかった生徒が、「新聞に投稿文を載せたい」という意欲のもと、主張の内容を工夫するだけでなく、具体例や言葉の選び方を考える様子がうかがえ、「だれが読むのか」「どのような気持ちで読むのか」という読み手を意識した文章を書くことができた。しかし、読み手を意識をすることはできたが、その意識を客観的に評価することはできず、独りよがりになることも多かった。今後は、いかに客観性を持たせるかを検討していきたい。
また、今回の学習が不特定多数に発信するときの怖さや注意点を理解することにつながり、SNS等インターネット上の発信も含め、自分の「書く生活」に重ね合わせて考えることができた。
実践者名:静岡市立高松中学校 南條 徹