実践指定校実践例 2014年度
新聞記事を使った思考力育成の実践
大多喜町立大多喜中学校(おおたきちょうりつおおたきちゅうがっこう) |
教科、科目、領域 |
小学校:
国語
中学校: 国語 |
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学年 | 中学 1年 |
図表の役割に注意しながら、事実と筆者の意見を読み分けることができるようにする |
図表と文章の関連を考える言語活動を通して,表現されている筆者の主張をつかみ,説明的文章を読む力を身に付ける |
教科書教材 「シカの落ち穂拾い」(光村図書)を使って図表と対応する文章の部分をとらえる。その発展教材として新聞記事を活用し,読解力育成を図る図る |
(1)育てたい力
文章と図表などとの関連を考えながら,記録や説明の文章を読む力 (中学校学習指導要領国語1学年C(2)カ 言語活動例イ より)
(2)単元展開
①教科書教材「シカの落ち穂拾い」を読み,筆者がどのような事象に興味を持ったのかを文章に即して読み取る・・・第1時
②文章と図表(グラフ・表)の対応を確認しながらそれぞれの図表の効果について考えたことをまとめる・・・第2時
③統廃合される学校の記事を読んで図表の効果についての意見をまとめる・・・第3時
3時間扱い |
1 扱った新聞記事 |
①比較的平易な教科書教材を読ませることで、図表の効果を考えられるようにした。②大多喜中学校区の三つの小学校は年度末に閉校となるため, 生徒は学校統廃合には関心が高い。この実態に合った新聞記事を用いる。③グループでの話し合いが意見を述べ,応じる必然性のある場づくりを行う。 |
学習素材である新聞記事では,全校でたった一人の児童がいる小学校の教室の様子が写真として掲載されていて,母校が統合されていく一年生にとってインパクトがあった。自分の実体験と照らし合わせながら進めることができる学習内容であったため,意見形成や話し合いも積極的になされた。学習を通して母校への思いを一段と高めることができたようである。
成果としては,教科書教材(基礎)→新聞記事(応用)という流れの中で学習過程を組んだため,生徒は段階的な思考力の向上ができた。また,実態に応じた記事の選択をすることが、学習意欲に大きく影響することが再認識された。特に1学年では,新聞記事の発展的な学習での活用に可能性を見出すことができた。課題としては,学習者たちの読解レベルと記事の難易を見極めること,また,継続した新聞活用のために,日常的に記事の収集を行っていくことが挙げられる。今後も,教師自身が新聞を読むという読書行為を続け,新聞学習のあり方を追究していきたいと考える。
実践者名:大多喜町立大多喜中学校 石川信夫