実践指定校実践例 2014年度

新聞を使った調べ学習の実践

市原市立市東中学校(いちはらしりつしとうちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 総合学習
学年 中学 1年 、2年 、3年
総合的な学習の時間
新聞を活用し、新しい視点や考え方を知り、探求する力を育成する。
新聞閲覧ルームを設置し、日付ごとに整理し、閲覧しやすくする。
新聞活用学習

総合的な学習の時間の中で30時間を「やまぼうしタイム」と設定し、自らテーマを見つけ、調べ、発見や考察を行い、その内容を一人ひとりが発表するという取り組みを実施した。この時間に調べ学習を行うときに、新聞を活用することによって、今までにない、新しい視点や考え方を知り、探求する力の育成を図った。

30時間

「やまぼうしタイム」の中で、自らテーマを見つけ、調べ、発見や考察を行い、その内容を一人ひとりが発表するという取り組みを行っている。そのため、全校生徒を7つのゼミナールに分け、調べ学習に取り組み、この調べた内容をまとめて、掲示物やパワーポイントなどを使って発表し、ゼミ内で優れた発表は、文化祭の中でも発表するという内容で進めている。この調べ学習の時間では、PC室でネットで調べたり、図書室で関連書籍で調べたり、実際に理科室・家庭科室などで実験をしたりしている。その中に新聞を閲覧する時間を確保し、ゼミの中で、ゼミ内のメンバーの関連記事を探したり、参考にしたりしてテーマ発表の中に生かしていった。

今年度は調べ学習の時間を設定し、探す作業を確実に行うことができた。また1年目の実践から、生徒はピンポイントでテーマに直接関連する記事を集めようとするので、今年度は教師が支援することで、多方面から見ると関連していることに気づかせ、テーマを探求させるきっかけを作った。またゼミ内で各自のテーマを共同で捜していくことを行い、見つけられない生徒も、みんなで協力して見つけ出した。

スポーツ関連のテーマ、また災害や事故をテーマとした者は、新聞により経過を追って行きやすく、上手に活用することができた。また、電気やダンスといったテーマの場合は、関連するテーマを見つけ出し、発表の中に生かしていった。ただ、ある歴史上の人物など、特定のものをテーマとした場合は関連性の有る記事を見つけ出すのも難しく、新聞が活用されないで終わってしまっている。

今年度の取り組みから、新聞を使って調べ学習を行った場合、インターネットで調べれば、ピンポイントで調べたい内容を調べることができるのに対し、新聞だと時間もかかり、見つけ出すことが難しいという事が感じられた。新聞を日常的に読む生徒は、昨年度の調査で1割程度であり、読み慣れていないことも時間がかかることにつながっている。しかし、実際に調べた内容を見ると、調べたテーマによって差はあるが、新聞を活用したことで、内容に広がりが生まれた発表が増えている。こうした事から、関連した記事を見つけ出すこと、また付随していろいろなことを学んでいき、新しい視点や考え方を知り、探求する力を育成することにつながることが確認された。

実践者名:市原市立市東中学校 阿部顕次郎