実践指定校実践例 2014年度

何のために生きるのか?何のために学ぶのか?

おかやま山陽高等学校(おかやまさんようこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 地理歴史 、公民 、総合学習
学年 高校(高等専門学校を含む) 2年 、3年
ホームルーム、現代社会、世界史 多岐にわたるので単元名は省略
世界で起きていることに当事者意識を持たせること。自ら考える力を身につけさせること。
リンクする記事を、切り抜き一緒に人数分コピーする。 
新聞制作学習 新聞活用学習

1時限目 スマートフォンの問題に関連する記事・コラムを4種類ほど読む。個人の意見をまとめ、クラス討論。
2時限目 マララさん、東日本大震災、猿渡瞳さんなどの記事を読む。前回の討論を振り返りつつ、もう一度討論。

2時間

(1)スマートフォン(ライン)での、岡山県内の小中学生のネットトラブルが中学生で68%、小学生でも15%
(2)岡山県内の中学生の3人に1人が平日にスマホの2時間以上の使用。
(3)広島など16都道府県の3700人のアンケートで、9割がスマホを所持し、半数が休日に3時間以上の使用。6時間以上が16%。
(4)岡山県教育委員会、県内の子供に21時以降の利用制限を設ける
などの、記事を読み込ませる。

(5)各個人で、それぞれの記事の感想や意見をまとめる。
(6)各班で、個人の意見を発表し、グループの感想・意見をまとめる。
(7)各班ごとに、全体への発表。質疑応答。

2時限目には、マララ・ユスフザイさん、猿渡瞳さん、東日本大震災関連の記事など、同世代の人たち、命をキーワードにした記事を読み込ませる。前回同様に、個人の感想・意見、各班ごとの感想意見をまとめさせ、全体への発表。

スマホにも利点が出てくるので、それも抽出する。2時限目の感想や意見は、1限目と関連しての意見や感想になるように留意させる。最終的には、時間=命が意見に入っているかが重要なポイント。難しくなりすぎないように、1日6時間スマホをいじっているとして、1年間では3か月間、4年で1年間もいじることになるなど工夫する。

1時限目は、スマホを擁護する意見が多くなりました。使用方法さえしっかりすれば良いなどの意見がでました。しかし、現状として、依存症になっている、トラブルになったことがある生徒が多く。他人事ではないと認識していました。行政や親が制約することには猛反発。しかし、同世代のマララさんや猿渡さんの存在を知ると、スマホの問題なのではなく時間(命)をどう使うかという問題なのだと気づきました。

時間は命であることは、ほぼ全員が強く認識できましたが、これによってスマホの利用が常識的なものになったかは不明です。歴史嫌いの学生にとって、スマホというキーワードから、現代社会や世界史の単元にもリンクできたなどは成果といえると思います。

実践者名:おかやま山陽高等学校 堤 尚彦