実践指定校実践例 2014年度
新聞を使っての2分間スピーチ
大阪府立枚方高等学校(おおさかふりつひらかたこうとうがっこう) |
教科、科目、領域 |
高校(高等専門学校を含む): 理科 |
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学年 | 高校(高等専門学校を含む) 2年 |
生物基礎(生物関連の記事で) |
日々少しでも新聞を読む習慣を身につけるとともに,その記事の内容を自分のものとし,発表することで生徒間での情報交換を進める。 |
ひとつの記事をスクラップし,その要点をまとめ,関連内容を調べ,自分の意見をまとめて発表する。 |
対象クラスの生徒に,自分で選んだ生物関連の記事をスクラップさせ,順に発表させる。発表内容は記事のまとめ,記事関連の調べ学習,記事に関する自分の意見。毎時間1名ないしは2名発表させ,全員が終わるまで続ける。授業の内容とつながりを持つことは不可能なので,内容については発表者にまかせる。
1学期の途中から2学期の途中まで(約20時間) |
新聞記事を使って授業の補足をしたり,投げ込み教材として利用したり,記事をスクラップしたノートを班で回し読みするNIEノートの活動をしたのちに,生徒一人一人にスピーチという形で発表活動をさせる実践を行った。この発表については,生徒相互評価(ピア・レビュー)の形で評価も行い,発表生徒に返す形をとった。とにかく,自分で考え,まとめ,それを発表することで他者に伝えるという言語活動を通じて,生徒の成長を図ろうとした活動である。最終的なまとめでは,発表に戸惑いは見られたものの良い経験であったという感想が多く,特に友達に評価されることについてはプラス評価が多かった。また,友達の意見や考えを知ることができてよかったとの感想も多かった。この活動を機に,少しでも新聞を読むようになったとの報告もあった。 |
とにかく,40人クラスで授業の進行にマイナスにならないように,1時間に1,2名の発表しかできないので,ほぼ1学期強の期間が必要になるため,生徒の発表に対する姿勢を維持するのが大変だった。 |
学習活動の項で述べたように,プラスの評価が多かった。さらに,記事は自分で選ぶので40人それぞれの生徒の個性が発揮される実践になったし,アクティブラーニング型授業になったと考えている。
20時間以上の確保がまず第一の課題で,その次に現代社会の授業などでは記事を見つけるのが容易であるが,生物関連ではどうしても見つけるに限界がある。また,新聞を購読していない家庭の生徒にどのように実践させるかも問題になる。ただ,生徒の生の声を聞けるという意味で,教師主体の授業では見られない生徒の反応や興味・関心が表に現れて,大変面白い実践だと思う。
実践者名:大阪府立枚方高等学校 片山 徹