実践指定校実践例 2014年度

小規模校におけるNIEの実践

幕別町立明倫小学校(まくべつちょうりつめいりんしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語 、社会 、総合学習
学年 小学 1年 、2年 、3年 、5年 、6年
社会科、国語科、総合的な学習の時間
伝え合う力を育成するための授業づくり
新聞制作学習 新聞活用学習 新聞機能学習

研修テーマ「型」を活用した「伝え合う力」を育成するための授業づくりを推進していく上で、新聞教材を活用し、新聞記事から得られる情報(input)を言葉や文字で表現(output)していくことで読解力や表現力の向上を目指していくことに重点をおいて指導にあたっている。教科領域では、社会科の見学授業で新聞社の印刷工場を見にいったり、国語科で新聞記事を活用し、読解力を身につけることをなどを目指している。

国語科、社会科

新聞文字さがしは、低学年の国語科において実践した。ねらいは、低学年にとっては新聞を読んで内容を理解することは難しいこともあり、新聞を身近に感じられないところがある。そこで、新聞を使って「遊ぶ」ことによって興味・
関心をもたせることを意識して活動を行った。 勝ち負けを意識させずに行わせたり、ペアや集団で行わせることで協力する姿勢を身につけさせた。また、時事的な言葉(冬であれば「ぼうふうせつ」「おおゆき」など)をお題にすることで社会で起きている出来事に興味をもたせることに有効的であった。 中学年は、朝の会の時間を利用して、新聞閲覧コーナーから自分たちが気になった新聞記事を持って来てお互いに紹介する時間を設け発表を行った。新聞記事に触れることで、社会で行われていることに興味や関心をもつ姿勢が身についてきた。新聞工場見学は、高学年の社会科の学習の単元「新聞社の働き」で、道新総合印刷帯広工場(音更町)に見学に行った。データが届いてから印刷、配送までの過程を見て学ぶことで、新聞作りには様々な人が関わって作られているということが実感できた。5年生は国語科の授業においても「新聞の構成や工夫」についても学習しており新聞への興味が高まった。新聞の構成を学ぶことで、新聞を読むことへの意欲・関心が強くなり興味をもつことにつながっている。

新聞を活用するのはあくまでも手段の一つであり、目的である「伝え合う力」を身につけさせるために教職員が共通理解に立って指導していかなければならない。新聞が身近な存在となるような環境づくりや指導内容の工夫については研修が必要であると感じている。

学校で新聞教材を扱うことで、家庭で新聞を読む習慣が身についてきたという児童が増えてきた。また、日常の会話の中でも新聞から得た情報などが増えてくるなど社会に目を向ける姿勢が身についてきていると感じている。自分が取り上げたスクラップ記事については、その後の情報が気になるなど継続的な学習の展開が期待できる。

3年間の実践を通して、伝え合う力を育成するために、新聞を活用した授業づくりが有効な手段の一つであることがわかった。あらゆるメディアから様々な情報が流れている現在の社会では、情報を読み取る力が求められており情報教育の一つとしてのNIEの取組は効果的である。本校では全校児童で漢字能力検定を受験しており、情報を得るためのツールとして基礎・基本的な漢字の習得に取り組んでいる。課題としては、児童に対してどのよう な記事をどのような場面で与えるかといった教師側の判断も重要となってくると感じている。情報過多となっている社会の中で子どもたちが活躍していくためには正しく情報を処理していく能力が必要となってくる。そのためにも小学校の段階からNIEを進めていかなければならないと感じている。

実践者名:幕別町立明倫小学校 菅原晴彦