実践指定校実践例 2014年度

高校放送局での新聞活用の試み

北海道旭川東栄高等学校(ほっかいどうあさひかわとうえいこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): その他(部活動)
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年 、2年 、3年
部活動(放送局)
放送局の活動に新聞を活用することで、日頃、スマホやパソコン、ゲームや音楽プレーヤーを手放せず、テレビや新聞をあまり見ない放送局員達の、社会に向かう目を育てる。
校内放送、アナウンス練習、番組づくりという放送局活動のあらゆる場面で、新聞の活用を試みるとともに、その成果を放送によって多くの生徒に還元していく。
新聞活用学習

(1)平日の昼 校内放送での活用
(2)放課後や休日・長期休業期間 アナウンス練習、番組制作練習などでの活用
(3)年に数回の放送コンテスト アナウンスや番組での活用

1年を通じてほぼ毎日

(1)平日の昼の放送での活用
昼休みに約15分間放送されている「TBSランチボックス」という番組の中で、その日の新聞からアナウンサーが気になったニュースやコラムを紹介し、コメントを述べていく。天気予報も放送する。

(2)放課後や休日・長期休業期間
a アナウンス練習での活用
「である調」で書かれた新聞記事を、アナウンス用にリード文やインタビューなどを入れた「ですます調」の原稿に書き換える。完成した原稿を、各自が読んで発表したり、数人で輪読する反復回し読み練習などで活用する。

b フリートーク練習での活用
司会役の一人が選んだ記事を読み上げ、それについてゲスト役の2名ほどが決められた3分ほどでフリートークをする。決められた時間内に話に落ちをつけたり、上手に締めることを目指す。

c ナレーション練習での活用
新聞の書籍広告や商品広告のコピー文を利用して、ラジオCM風のナレーションを作り、朗読する。同じ広告をもとに、数人の生徒にそれぞれのナレーションを作らせると、演出の違いが出て、互いに刺激になる。

(3)年に数回の放送コンテストでの活用
コンテストに出品する番組やアナウンスのネタ探しに新聞は欠かせない。新聞記事や広告などからネタを発掘し、そこから伝えたいテーマを発見し、コンセプトや取材先を記載した企画書を作成し、企画会議にのぞむ。番組内でも新聞は素材として活用できる。



実際にコンテストに出す番組やアナウンスで活用する場合は、新聞の記事をそのまま伝えることの無いよう、自分で実際に関係者に取材し、新たな証言や事実を掘り起こすことに努力し、高校生の視点で番組制作や原稿作成に取り組むことに留意させる。新聞記事そのものを素材として撮影、朗読する場合は、新聞社への使用許諾を取る。
昼の放送では、情報番組であることを意識し、生徒に伝えたい内容の記事を選ぶ。

毎朝、放送室に新聞を届けることで、朝の放送担当の生徒が新聞を読むようになった。昼の放送が単なる音楽番組から、情報番組に進化してきている。

放送局は、とかく内にこもりがちな生徒が多い傾向の部活動であるが、地域に取材に出る活動も多くなり、より外に目が向けられるようになってきた。
今後の課題は、記事の内容をより深く理解できる力をつけていくことと、その成果をもっと全校生徒に還元していくことである。

実践者名:北海道旭川東栄高等学校 久保田 弘