実践指定校実践例 2014年度

「新聞記事を用いて作家を紹介しよう」

札幌市立中央中学校(さっぽりしりつちゅうおうちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語
学年 中学 1年
「調べる」(辞書・インターネット)
新聞などの文章から必要な情報を集める方法を身につけること。
学校図書館司書の助言を受けながら、新聞記事で報道されている人物等について図書館蔵書を活用して調べる。
新聞活用学習 新聞機能学習

1時間目:漢和辞典を用いて熟語の意味や部首等について調べる。2時間目:新聞記事を読んで要約し、調べる語句についてまとめる。3時間目:新聞記事で報道されている人物等について図書館蔵書を活用して調べ、発表する。

3時間目

本校は、昨年度より札幌市内公立中学校では唯一、学校図書館司書が配置されている。そのため、新聞活用と並行して、学校司書と連携した授業の実践を度々行っている。今回は、図書館でよく借りられている本の中からベストセラー作家について調べる、というテーマを設け、作家への理解をより深めるために新聞記事を活用して授業を行った。東野圭吾・あさのあつこ・有川浩・村上春樹、計4名の作家について報道された記事を読み、要約した内容と、本に載っている作家紹介などを取り入れて、作家の紹介をするという活動である。まず、ユニット(少人数の学習グループ)に分かれて作業を分担した。記事の字数は、長いものでも650字程度である。各自黙読し、調べる語句を選び出した後、5W1Hに基づいて要約を進める。その後、分担に沿って、記事に書かれた作家の言動や著名な作品、難解な語句について図書館蔵書を用いて調べ、簡潔にまとめるなどし、発表した。

記事を選ぶにあたり、データベースで検索した。作家に関する記事は多くはなく、2年前の記事も用いて進めた。そのため、最新の情報と若干異なる点、などがあり、その点を随時補足解説した。また、全ての記事が5W1Hを網羅しているわけではないことについても適宜助言が必要であった。

学校図書館で貸し出し数の多い作家や、特設コーナーがある作家についての学習であり、興味をもって取り組む生徒が多く見られた。また、作家についての記事も、人物紹介や作品紹介が主となっており、難解な語句は少なく読みやすいと言っていた。映画化された作品については映画の紹介記事もあったので、楽しんで活動していた。

新聞記事と図書館蔵書検索、辞書の使い方、そして図書館司書との連携を目標として活動してきた。多くの資料を用いて検索する力、新聞記事を要約して情報を把握する力、司書に適切な質問をして情報を得る力を身につける活動を実践できた。課題は、個々の能力向上である。今回はグループ活動であったため、能力の低い生徒も取り組むことができたが、学年があがれば、同様の内容を一人で進める力が求められる。600字弱の記事を読むだけで限界を感じる場合、「社説」などを読みこむ、または二つの社説を比較して読むとなると、他の生徒の数倍、時間がかかってしまう。今後は長期休業中の課題として新聞記事読解の機会を設け、1000字程度の記事をどの生徒も読みこなせるように指導していきたい。

実践者名:札幌市立中央中学校 古畑理絵