実践指定校実践例 2014年度

生徒の思考力・判断力・表現力を深める社会科学習指導の工夫

大任町立大任中学校(おおとうちょうりつおおとうちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
国の政治の仕組み「裁判員制度について考えよう」
模擬裁判の体験や新聞記事をもとに、裁判員制度の成果や課題を考え、その意義や必要性についての自分の考えをまとめることができる。
展開での新聞活用~思考・判断を促す材料として、または生徒の出した仮説や推論の裏付けとしての活用
新聞活用学習

1 裁判所のしくみと働き(1時)
2 裁判の種類と人権(1時)
3 裁判員制度を知ろう(1時)
4 模擬裁判をやってみよう(2時)
5 裁判員制度について考えよう(本時)
6 三権の関係について考えよう(1時)

本時(平成26年11月21日)第5時限 3年1組

1 前時の学習を振り返る(模擬裁判の感想等)。
2 本時のめあてを確認する。
 (体験した感想や新聞記事をもとに、今後裁判員制度が必要かどうかを考えよう。)
3 裁判員制度の成果と課題について考える。
4 新聞記事から、自分の考えと比較する。
5 裁判員制度の今後の必要性について考える。
6 最終的な自分の考えをまとめる。
 (まとめ~裁判員制度は必要・必要ない、結論とその根拠を自分なりにまとめる)
7 次時の授業の内容を聞く。

展開において、実際に行った模擬裁判体験と新聞記事の分析から、裁判員制度の成果と課題について考えさせる。模擬裁判の感想と成果と課題について話し合い、意見交流をする。その後実際に裁判員を行った人々の考えや意見を比較して考えを深めさせるために、新聞記事を提示する。裁判員制度の成果についてあげている記事と課題についてあげている記事の両方提示して、生徒自身の考えや根拠との比較検討ができるようにする。

新聞記事から、実際に裁判員として活動された人の意見を提示することで、生徒自身の考えと比較・検討することができた。今後も必要だという生徒は「色々な人の様々な視点を裁判に反映させるのは、今後も必要である」などの意見があった。逆に不必要であるという意見は「心理的な負担、時間的な拘束が厳しい」などがあった。

実践成果は、新聞を活用した学習活動は、生徒の思考力・判断力・表現力を深めるために有効であった。また、各階に新聞コーナーを設置したことで、生徒は新聞を積極的に読むようになった。課題は、生徒は読む速度が遅いために、しっかり新聞を読み込む時間を確保することが必要である。また、今後も学校の教育活動全体を通して、新聞を効果的に活用する方策を今後も考えていく必要がある。

実践者名:大任町立大任中学校 安藤志保美