実践指定校実践例 2014年度

「大地のつくりと変化」~火山の噴火による大地の変化~

糸魚川市立糸魚川東小学校(いといがわしりついといがわひがししょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 理科
学年 小学 6年
大地のつくりと変化
新聞記事から抜き出した噴火の情報を正確に理解し、自分たちが住んでいる地域の生活に役立て、防災について考えることができる。
御嶽山噴火の新聞記事を活用し、火山の噴火についてその成り立ちや噴火の種類について詳しく学習する。
新聞活用学習

第1次 がけにしま模様が見られるのはなぜか(1時間)
第2次 地層はどのようにしてできるのか(3時間)
     水のはたらきや火山のはたらきでできる地層や特徴
第3次 わたしたちが住む大地はどのようにしてできたか(3時間)
     フォッサマグナパークと地層観察
第4次 地震や火山の噴火による大地の変化を考えよう(3時間)
     地震や火山による大地の変化(新聞活用)

9/10時間目

(1)御嶽山噴火の記事から、噴火の様子や被害、また、噴火の種類、火山の噴出物について知る。(課題をつかむ)
子どもたちに、長野県御嶽山の噴火の記事を渡した。この記事を読むことにより、噴火とはどのような状態で、どのような被害があったのか。噴火にはどのような種類があり、噴火によって出てくる噴出物は何か、などについてワークシートに書き取りながら理解することができた。なかでも、噴火の種類については、図説してあり分かりやすい資料となった。
(2)糸魚川市の活火山(焼山)の噴火対策の記事を読み、感想を書く。(記事をもとにまとめる)
糸魚川市に焼山という活火山がある。御嶽山の噴火を受けて、市の噴火対策について書かれた新聞記事を子どもたちに提示した。その記事を読むことで、自分の家の近くにも活火山があることを知った。また、噴火に対する備えや対策についても知ることができた。
(3)今後の糸魚川市の防災について考え、意見文を書く。(自分の考えをもつ)
子どもたちは新聞記事から、噴火について詳しく知識を得て、そのための備えとして何をしなくてはいけないのか、自分なりに考えていた。

自然災害を伝える新聞記事には、その災害のメカニズムや原因について詳しく図で示されていることが多い。その図を、大型提示装置などで取り上げ説明することで、子どもたちの理解が深まる。また、他地域での災害を知ることで、身近なところでも起こりうる災害として捉えることができ、防災教育にもつながる。

新聞記事を提示するまで、焼山が活火山であることを知らなかった子どもが10%もいた。糸魚川市での火山の噴火に対する設備を知ることで、「焼山のシェルターが山頂から4kmも離れているのはおかしい」「もし焼山が噴火したら、情報をよく聞いて避難する」など、具体的な防災設備や避難の仕方など、感想に書いていた。

理科の自然災害に関する学習では、教科書に載っている数年前の事例で学習することが多い。そのため、子どもたちは過去のものとして捉えてしまいがちである。今回は、御嶽山の噴火により、タイムリーな事例として新聞記事を使って学習することができた。日常、伝えられているニュースとは別に、新聞記事では噴火のメカニズムや噴出物についても詳しく取り上げている。新聞記事を手がかりとし、噴火の様子から噴火に備える防災知識まで学習することができた。NIEに取り組んでから、子どもたちは一般紙からも的確に情報を得ることができるようになった。

実践者名:糸魚川市立糸魚川東小学校 川合 紀子