実践指定校実践例 2014年度

新聞作りー宿泊学習を題材に

札幌市立平岡中央中学校(さっぽろしりつひらおかちゅうおうちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語 、総合学習 、特別活動 、その他(家庭学習)
学年 中学 2年
気になる「あの人」を探ろうーメディアの特性を生かして調べる 『中学国語2』光村
調べたこと、体験したこと、学んだことを新聞にまとめる。(1人1枚、手書き、B4判)
朝の一斉読書の時間に、当日の朝刊から自分で選んだ新聞を読む「全校一斉新聞読書」は今年で5年目となる。昨年から2年生では宿泊学習後に新聞作りを行っている。
新聞制作学習

国語の時間に学んだことを生かして、総合的な学習の時間に新聞作りを行った。国語の時間では、関連する単元終了後に北海道新聞社に出前講座を各クラスで実施していただいた。出前講座では主として文章の書き方、見出しの付け方について学んだ。新聞作りではグループ内で記事の共同利用をした。

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 全校一斉新聞読書で読んだ新聞から、記事を選んで意見を書き、互いに読みあい意見交流をする「全校一斉新聞感想文」を昨年から実施している。希望者はその後、「いっしょに読もう新聞コンクール」に応募する。この他、授業や授業以外の活動でも新聞は活用され、生徒は日ごろから新聞に親しんでいる。昨年から、2年生の宿泊学習終了後に手書きの新聞作りを行っている。今年は国語と総合的な学習の時間を結んで新聞作りを実施した。実施概要は以下である。1.教科書単元 気になる「あの人」を探ろう で、調べたことを新聞にまとめる方法を知る。(1時間)2.出前講座の実施。(1時間)文章の書き方、見出しの付け方の具体的な方法を知る。3.新聞作りの詳細を知り、記事を分担する。(1時間)4.まとめ新聞作り(3時間)5.振り返り(0.5時間)

 授業の進度や新聞作りの日程を勘案しながら、はやめに出前講座を依頼する。

 アンケートでは、「文章の書き方で得たことがある」とした生徒は92%、「見出しの付け方に得たことがある」とした生徒は95%、「出前講座の実施はよい」が94%で、出前講座は生徒に好評だったことがわかる。「新聞作りのあとで新聞の読み方に変化があった」とした生徒は66%、「文章の書き方に変化があった」とした生徒は77%である。

 生徒の書く文章に良好な変化があったことが成果である。思い浮かんだことを読点でつないで書き続け、一文が長くなって意味がわかりにくい文章が激減した。誤字・脱字に気を付けて文章を書こうとする姿勢がみえるようになった。新聞作り後の作文ではテーマをそのまま題にするものがなくなり、内容が類推できる題がつけられるようになった。見出しの付け方を学んだためと思われる。通信社が記事を配信していることにヒントを得て行った記事の共同利用は、一定程度生徒の負担軽減に効果があったようだ。そればかりか、グループ内でのコミュニケーションが活発になるという思わぬ効果もあった。だが、見出しは違っても記事の内容は同じであるという生徒の指摘はもっともだ。記事の共同利用の長所を生かしながら、この点を解決していくことが今後の課題だ。

実践者名:札幌市立平岡中央中学校 三上久代