実践指定校実践例 2014年度
学級活動・学習活動・進路研究活動に新聞を活かす
名古屋市立若宮商業高等学校(なごやしりつわかみやしょうぎょうこうとうがっこう) |
教科、科目、領域 |
高校(高等専門学校を含む): 国語 、特別活動 、キャリア教育・進路指導 |
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学年 | 高校(高等専門学校を含む) 1年 、2年 、3年 |
「国語表現Ⅱ」(全般)、特別活動(HR活動「進路適性の理解と進路情報の活用」) |
3年「国語表現Ⅱ」(3単位)・通年
HR活動・進路研究活動 主に9~10月
「国語表現Ⅱ」は毎時/HR・進路研究活動は随時 |
・学級活動「朝のコラム」…全クラスで、朝のST時に行う。短めの新聞記事を読み、重要部分に線を引いた上で、100字程度の意見や感想文を書き提出する。記事の選定は、生徒の発達段階や各学年の直面するテーマ(例えば、2年生ではキャリア学習や広島への修学旅行を見越した平和学習、3年生では就職試験の時事問題対策的な内容)に応じ、学年ごとに選出された「朝コラ係」の教員がそれぞれ行っている。 |
「朝のコラム」は全校実施であり、題材選びがきわめて重要である。各学年ごとの関心事・設定テーマに沿う内容が求められる。「新聞記録」は、特に年度当初、新聞を読み慣れない生徒への声かけやサポートが重要である。「新聞読みくらべ」では各紙の論調の違いに学ぶ学習内容が主となるが、特定の論調への偏向や誘導が起こらないように注意してテーマ設定や記事の提示をする必要がある。 |
年度末アンケートには「新聞を読む時間が楽しみでした」「テレビやネットニュースで知ったことを詳しく紙面で伝えてくれるのがよかった」など、新聞の魅力に触れた喜びが多く記されていた。時事問題にも敏感になり、「就職面接でしっかり答えることができた」との声も聞かれた。「新聞読みくらべ」では、各紙の論調の大きな違いに強く興味を魅かれ、さらに自己の意見形成につなげている生徒もおり、実践に手ごたえが感じられた。
生徒が新聞を身近なものに感じるようになったことに始まり、新聞とそれが伝える社会問題や論調の相違に関心を抱く生徒が増加したことが、大きな成果として挙げられる。就職・進学を問わず、生徒の進路決定に新聞が重要な役割を果たしたことも指摘できる。ただ、同じ、あるいは異なる新聞銘柄を、一度に同じ場所で読むことができるメリットを常に十分に活用できていたとは言い難い。また毎日配達される新聞というスタイルにもとづく「情報の継続性」を活かし、特定の問題の流れや進展を追うなど、さらに深みのある実践が可能だと思われるが、その段階にはまだ到っていない。幅広い教科間での新聞活用の連携も視野に入れ、今後さらなる工夫が必要である。
実践者名:名古屋市立若宮商業高等学校 柳 正明