実践指定校実践例 2013年度

「屋島集団宿泊学習新聞・広告」をつくろう!!

三豊市立高瀬中学校(みとよしりつたかせちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 総合学習
学年 中学 1年 、2年 、3年
「新聞・広告」制作
1年生は「集団宿泊学習」を,2年生は「職場体験学習」を,3年生は「修学旅行の民泊体験」を通して,体験したことや考えたことを「新聞・広告」形式でまとめる。
前述した「集団宿泊学習」「職場体験学習」「修学旅行の民泊体験」で学んだことを,読み手を意識し,文章の構成を工夫して効果的なレイアウトや的確な見出しを考えさせる。
新聞制作学習 新聞機能学習

全学年とも前述した体験学習のまとめとして「新聞・広告」制作を行ったが,ここでは1年生の実践例を紹介する。
第1時:事前指導
第2時:「新聞・広告」に掲載する写真の選定
第3時:下書き
第4時:出前授業(「新聞」制作における基本的な指導)
第5時:出前授業(「広告」制作における基本的な指導)
第6時:出前授業(「広告」制作時の個別指導・助言)
第7~9時:「新聞・広告」制作

全9時

1.事前指導(1時間)
「新聞・広告」制作の目的,施設の役割や施設の人たちの様子についての聞き取り・観察等活動課題の提示,手順の説明。
2.「新聞・広告」に掲載する写真の選定(1時間)
3.下書き(1時間)
新聞に書く内容を「宿泊学習のしおり」の日記を書く際に示した9つの視点(発見したこと,驚いたこと,面白かったこと,友達と協力してできたこと,地元にないこと,家族に伝えたいこと,この体験の生かし方,来年参加する中学1年生へのアドバイス,先生方の意外な一面等)から3~5項目程度(活動内容,発見したこと,驚いたこと,宿泊学習の体験を今後の生活にどう生かすか等)に絞って書く。
4.出前授業〈学年全体〉(2時間)
(1)「新聞」制作における基本的な指導(1時間)
1)「見出しの見比べ」
全国紙5紙,地元紙1紙の1面を使って見出しの見比べを行った。
2)「見出しのつけ方」
地元紙の見出し抜きの記事を使って,生徒が実際に見出しをつけてみた。生徒がつけた見出しについて,記者からコメントをいただいた。
3)「新聞」制作における手順の確認
(2)「広告」制作における基本的な指導(1時間)
「広告」の役割,「広告」例の紹介等。
5.出前授業〈各学級〉(1時間)
各教室で,「広告」制作において生徒個々にキャッチコピーやレイアウト等についてアドバイスをいただいた。
6.「新聞・広告」制作(3時間) 

集団宿泊学習の事後学習に「広告」制作を加える意義は,事前学習の段階であらかじめ「宿泊学習後に,『少年自然の家』の広告をつくる」という課題を提示することで,生徒がその施設の役割,自然の家の人たちの様子などについて,常に考えながら宿泊学習を行うように学習動機を強化できることである。

「新聞・広告」制作後の自由記述によるアンケートによると,「新聞」制作では,特に見出しやレイアウトを考えるのに苦労していたが,工夫を加え,オリジナリティのある新聞に仕上げることができたと充実感を味わえたようである。「広告」制作では,キャッチコピーを考えるのが一番難しかったようであるが,読み手を意識して,「誰が見ても分かりやすい」キャッチコピーを考えて制作できた生徒もいた。

本校はNIE実践指定校に認定されて今年度で3年目である。初年度以来継続した取組で,全学年とも総合的な学習の時間のまとめとして「新聞」制作の基盤ができている。今年度は深化・発展させ,「新聞」制作に「広告」制作を加え,実践を行った。成果として,「新聞・広告」の制作過程で「情報収集力」「表現力」「情報発信力」等を養成し,できあがった作品をそれぞれの体験先に贈って,感謝の気持ちを伝えたり来訪者にPRしたりすることで,社会と繋がり,社会に発信できる生徒の育成に効果的であった。課題として,今年度副主題として設定した「社会に貢献できる生徒の育成」までには至らなかったことである。今後は新聞記事,特に地域面の活用等を通じて,自分の住んでいる地域や社会にさらに目を向けさせ,社会貢献に資する生徒の育成を図りたい。

実践者名:三豊市立高瀬中学校 細川 小百合